近所の小さなラーメン屋、しこたましょっぱい醤油ラーメンがなんとも云えない。けれど、それよりも…… ……などと考えているうちに、靴流通センターにたどり着く。 店内をぐるりとひと回りしてから、店を出て、隣のハローマックで名古屋城のプラモデルを買った。 それから新幹線に乗って、八戸に向かう。到着するまでに、果たして名古屋城は完成するだろう . . . 本文を読む
……そして、 ぼくはもう帰るのをあきらめる。 ……それに、 考えてみれば、本当に帰りたい家、帰るべき家は、もうなくなってしまっているんだ。 通りすがりの男が、いかにも落ち込んでる風で云う。 「おれはクズだ」 聞けば、仕事でミスしてしまったらしい。 しかしぼくは、話の内容よりも、彼の喋り方が気になって仕方がない。 もし彼の発する言葉 . . . 本文を読む
気に入らないやつを山に埋めた帰り、道に迷ってしまう。
当てもなくさまよい、もう2時間は経っただろうか…
まだ読んでいない安部公房の小説
・第四間氷期
・密会
・方舟さくら丸
・カンガルー・ノート
まだ読んでいない江戸川乱歩の小説
・石榴
・堀越捜査一課長殿
・魔法博士
・塔上の奇術師
見知らぬ中年女性が訊いてくる。
「豊田城はどう行ったらいいんでしょうか?」
「この道を真っ直ぐ、3つ目の . . . 本文を読む
ヴァイオリンのレッスンの帰り、道に迷ってしまう。 当てもなくさまよい、もう2時間は経っただろうか… カスミで買うもの ・豚コマ ・サバの切り身 ・シャケの切り身 ・味噌 ・たまご ・たこわさ ウエルシアで買うもの ・眞露(25度、1.8ℓ) ・チャルメラ(しょうゆ味) ・歯ブラシ ・歯磨き粉 ・ラッキーストライク(2箱) 見知らぬ中年女性が訊いてくる。 「駅には . . . 本文を読む
なにかを探すことをあきらめて、ぼくはただたださまよっている。 正しいことをしているつもりでも、くだらない奴らにグダグダにされる。 ぼくはなにがなんだかわからなくなって、思考停止に追いやられる。 もう勝手にしてください。 いい加減にやめてください。
. . . 本文を読む
午後になり、やさしい風が吹きはじめる。 眼をつむり、耳を澄ます。 樹々が揺れ、枝と葉とが触れあい、さらさらとまるで囁きあっているよう。その音を意識して聞くのは、いったいどれくらいぶりだろう。 ぼくの心は、しだいに落ち着きを取りもどす。 そして、まぶたの裏には、子どものころに見た風景がよみがえっていた。
. . . 本文を読む
見知らぬ街をさまよううちに陽が暮れかかる。
なにをしても、なにを見ても、昔の記憶に結びつき、思い起こさせられるときがある。
子ども時代の自分…
夜中にぜんそくの発作に苦しみ…
友だちもつくれず独りぼっちで絵を描いて…
大人になって…
帰る場所もなくなり…
親もなくし…
そして…
人とうまく付き合えなくて、やることなすことうまくいかず、どうしていいかわからなくて、毎晩のように涙が止ま . . . 本文を読む
いやなことを忘れたくて、酒を呑む。呑みつづける。 身体はふらふら力は抜けて、気持ちは悪く吐き気さえもよおして……なのに、頭はますます冴えてゆく。 外に出てみると、風もなく、あたりは静まり返り、ぼくの心ばかりうるさくざわめく。 すれ違う人、その眼、どこか光のあるその眼……可哀想にと云いつつ、ぼくを嘲り笑っている。そしてぼくを、ぼくの . . . 本文を読む
何もかも許される者が、ここにいます。
それが今回の事件の犯人です。
けれど、やっぱり今回も無罪放免となりました。
仕方ありませんね。まぁ、こんなもんです。
……被害者、ぼくだし。
完
. . . 本文を読む