課長代理が大学病院に入ってゆくところを写真に収めたあと、ぼくは地下鉄を乗り継ぎ古本屋街へ出かける。
本を買うのが目的ではなく、漬物石が欲しかった。
古本屋街として有名なこの街だが、近年、漬物石屋の出店が目覚ましく、その数は古本屋のそれを越えているという。
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地下鉄の出口を出て、ぼくはまっすぐ丘の上の定食屋に向かう。
店に入り、肉豆腐定食を注文したその時、
街に謎の巨大ロボットが‼︎
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幕末期から小論文の添削者がタイムスリップしてくる。
彼は福雷橋のたもとに立って、行き交う人々に訴える。
自分が世界ではじめてチャーハンに高菜を入れたのだ、と。
明太子スパゲティを作ったのも自分だ、と。
焼きそばにあげ玉を入れると美味しい、ということを発見したのも自分だ、と。
そして…
来年の暮れあたりに芝麻醤の価格が暴騰する、と予言した。
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雪だるまが、世界一周の旅から帰国する。
世界一周と云っても、彼の性質上北半球の、それもなるべく北のほうをまわってくるしかなかった。
彼はアパートに帰るなり、荷ほどきもそこそこに、また旅に出る計画を立てはじめる。
ノルウェーで食べた本場のあんかけ焼きそばの味が忘れられないらしい。
しかし…
とても旨かった、とても旨かったが、なにか物足りない。
それがなにか気づいたのは店を出て、ホテルに着いた . . . 本文を読む