めざめていても夢はみる

ぼくはいつまでもさまよいつづける、
夜が明けても醒めない夢のなかを…

海底占い師

2016-10-07 20:09:17 | ペン
係長の交通費二重請求の証拠を摑んだぼくは、大洗港から小型ボートで海へ出る。
東へ12キロ、そして西へ10キロほど行ったところで、突然ボートが爆発する。
ぼくは吹き飛ばされ、海面に叩きつけられてしまう。
薄れゆく意識のなか、おそらくあれは係長がエンジンに細工でもしたのだろう…と考える。

……ぼくの身体は、じょじょに暗い海の底へと沈んでゆく。

水深約50メートル。
そこに脱獄は100パーセント不可能と言われる海底刑務所があり、その隣に、噂の占い師の館がある。
占い師は〔オーブン・オア・グリル〕という名で、“元祖海底占い師”を謳う。

↓オーブン・オア・グリル氏 近影


10月のある日、朝一番でそこを訪ねた地元の消防署長は、占い師に会うやいなやこう云われたという。
「私が今朝干したTシャツはもう乾いています」




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