めざめていても夢はみる

ぼくはいつまでもさまよいつづける、
夜が明けても醒めない夢のなかを…

赤いボール

2016-04-05 11:02:58 | ちょっとしたおはなし
誰からも忘れ去られた高速道路の建設予定地で、イギリス人探偵ヴォルフガング・ルイーヌ(10歳)は呆然と立ち尽くす。

1ヶ月ほど前から世間を恐怖に陥れている、エビシューマイ連続失踪事件……
彼はいま、その捜査に行き詰まり、途方にくれている。
先が見えず、自信を失いかけている。
事件に取りかかったときの意気揚々とした自分を思いだすと、本当に恥ずかしい。あの思いあがりに満ちた自分を……。

……と、
どこからともなく赤いボールがぽんぽんと弾んで来て、ヴォルフガング・ルイーヌの手におさまる。



ボールは云う。かわいらしい声で。
「あなたのことが好きです」




コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« はぐれ宇宙人 | トップ | 新しい家 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (テクテク)
2017-03-05 10:36:45
イギリスの探偵君がとても愛らしいです。
絵のパステルカラーさえ
遠い記憶を辿った思い出の一部のようで
深くかんじます。
返信する
Re:Unknown (painfulnight)
2017-03-05 19:54:03
テクテクさん

いつもコメントありがとうございます。
絵の真意をくみ取っていただいていると思います。
返信する

コメントを投稿