歌うように語ろう

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NHK杯感想

2013年11月11日 | フィギュアスケート

リアルタイムでがっつり放送しようと思えばこれだけできるということを、今回のNHKは証明しましたね。

できればペアとアイスダンスのSP(SD)も地上波で見たかったですが、FP(FD)が見られただけまだいいです。

久しぶりに受信料払ってる分を取り戻したような気がします。

 

それはさておき、各カテゴリ別に簡単に感想をまとめたいと思います。

ペアとアイスダンスはフリーでの感想になりますのでご了承ください。

 

<男子>

SPでは織田選手の得点が低すぎてご本人同様私もポカーンとなりました。

エラーはともかく、4Tの回転そんなに足りていなかったのか微妙です。ファンの方には怒られそうですが、高橋選手の方が微妙に見えました。

まあ、高橋選手に関してはSPの演技自体はとてもよくまとめてきましたし、あれだけ点が出るのもまあまあ納得なのですが、織田選手のSPは

低すぎると思いました。FSはまあまあ点が出てホッとしましたが、ちょっと気の毒でしたね。

無良選手はスケアメの時よりは調子を取り戻しつつあるのかなと感じました。FSを去年の「SHOGUN」に戻して正解だと思います。

アボット選手はミスはあったものの、久しぶりにFSをまとめてきて個人的に満足しました。もともとスケーティングなどは非常に良い選手なので、

ジャンプさえ決まれば本当に素晴らしいのですが、それがなかなか難しいのですよね…。

ともあれ高橋、織田両選手共GPFに望みをつなぐ結果になり何よりでした。

 

<女子>

ジャンプにミスはあっても、浅田選手がダントツでした。以前と異なり、ミスしても後に全く引きずらずに全体をきちんとまとめられていることは

確実に高評価に結び付いていることは明確ですね。FSではPCSも70台に乗りましたし、この調子で更なる進化を期待します。

3A2本の構成も考えているようですが、セカンド3Loが認定される確率と対比して考えたら、どっちもありのような。

最後はご本人がやりたい方を選んで満足のいく構成で挑んでほしいと思います。とはいえ、たぶん佐藤先生の存在を考えると

むしろ五輪では6種7トリプルもありうるのではないかなと思いますが(3F+2Loのままということです)

ラジオノワ選手は事前に捻挫したという情報を聞いていただけに心配しましたが、その影響を全く感じさせないほどにいい演技でした。

SPで冒頭の3Lz+3Tが単独ルッツになった時は、次で2Tにするのかとおもいきや3Lo+3Tにするという荒業に舌を巻いたのは

私だけではないと思います。ループの後に3Tをつけるのはかなり難しいのではないでしょうか。

そしてはじけるような笑顔に大変和ませて頂きました。彼女は五輪枠争いとは無縁なので(年齢制限のため)比較的気楽な立場で

GPシリーズに参加できていることもあるのかもしれませんが、あの笑顔は彼女の性格あってのものでしょう。

今後苦しむこともあるかもしれませんが、あの笑顔がなくならないままうまく成長してくれることを祈ります。

鈴木選手はSPから調子がよくなさそうでしたが、FSではかなり乱調ぎみでスピードもありませんでした。

個人的に、SPでセカンド3Tがつけられなかった+3F不安定、FSではルッツで両方失敗など、トゥ系ジャンプが崩れているのが

懸念事項ではないかと思います。フリップルッツ両方2本入りのFSは特に危険なような。

鈴木選手も最後のシーズンなのでやりたいことを優先したのか、あるいは攻めの構成にしたいのかどちらかわかりませんが、

年齢のことを考えると手堅くいった方がいいような気がします。まあ、長久保先生はこういう戦略には長けておいででしょうから

全日本ではまとめてくるだろうとは思います。ファイナルはTEBとロステレの結果次第ですが、国内とはいえGPFが全日本の前に

入るとそれこそ疲れがたまりそうなので悩ましいところですね。でも最後のシーズンだからやっぱり鈴木選手も出たいかな?

宮原選手は綺麗にまとめてきているんですが、ジャンプに高さがないのが心配です。どうしてもURされやすいのはこの辺に

原因があるのでしょう。スケーティングは今後伸びるだろうとあまり心配していませんが、まずはもう少し体が大きくなることを

祈りたいところです。15とはいえ高1で145センチは小さいですよね。こればっかりは本人の努力でどうにかなるとは限らないのが

辛いところですが、真面目にコツコツ練習する宮原選手の努力が報われるよう、願ってやみません。

表彰台には日本二人とロシア一人。お姉さんたちと一緒のラジオノワ選手のはじける笑顔がまぶしいひと時でした。

 

<ペア>

やはりヴォロトラペアの圧倒的な完成度の高さに感嘆させられました。FSの曲調は個人的に苦手なのですが、それでもあの

演技の質、完成度の高さ、ユニゾンの精密さといいまさに別格でした。よほどのことがないかぎり、彼らがそのまま五輪の金も獲りそうだと

思います。後は調整だけですね。すべての選手に対して言えることですが、怪我無く病気せず檜舞台に上がって欲しい。

実にお見事でした。

日本の成龍ペアは結果うんぬんより、まず結成1年にも満たない状態でここまで来られたことにまず敬意を表したい心境です。

シングルからの転向で、ペア独特の技を一から覚えつつ体もしっかり作り上げてきた木原選手、どれだけ大変だったことか。

高橋選手も以前より体重を落としたと聞いていますが、相変わらずリフトのポジションなど素晴らしいです。ただ、ジャンプはそろそろ

1種類でもいいので確実に決められるようになってもらいたいです。

そして、アメリカの佐藤コーチ(夫妻)も大変なご尽力をされたと思います。既に彼らの元にはシングル中心に門下生がたくさんいるにも

関わらず、彼らをあたたかく見守り指導して下さるのは競技ファンとしてもありがたいことです。

まだ若いペアですから、今後もじっくり育ててあげてほしいと思います。

 

<アイスダンス>

メリル&チャーリーの伝説更に更新。何とも美しく優雅で更にミスのない演技。彼らもまた別格の演技でした。今季で最後との話を聞いていますが、

非常に残念です。是非とも競技引退後は日本のアイスショーにおいでください。駆けつけますから!

キャシー&クリスも頑張りました。SDから順位を一つ上げましたし、SDでのミスをちゃんと修正してFDでは素晴らしい出来でした。

まだクリスの膝は痛いままのようで心配ですが、どうか無理せず悪化させないように頑張って欲しいと思います。

次は全日本ですね。1か月以上ありますから、練習と同じくらい体のメンテナンスもよろしくお願いします。

 

いつものことながら、採点は不可思議いろいろでしたが今回はそればかりでなく、女子FS途中でシステムダウンという事故まで

起きてしまいました。リンクの上に20分以上放置されてしまったナガス選手が本当に気の毒でしたが、ずっと笑顔でいてくれたことに

敬意を表します。演技にも少なからず影響は出たと思うのですが、それを言い訳にしないところも本当に立派です。

そればかりか、彼女はツイッターで観客の皆さんが支えてくれた、ありがとうと感謝の意を示していたことも記しておきたいと思います。

個人的に彼女には今大会でのMVP特別賞をお送りしたい心境です。

 

以上