歌うように語ろう

観劇や観戦(主にフィギュアスケート)等について語るブログです
記事の無断転載はお断り致します。引用転載の際はご一報を。

見えつつあるコレオシークエンスの実像とルール見直しへの願望

2012年11月09日 | フィギュアスケート

GPシリーズも半分終わり、その他ISU認定大会もいくつか終了して、只今フィギュアシーズンの真っただ中ですが、今季より導入の

コレオシークエンスについて、私はかなり興味を持っていました。

女子はスパイラルを秒数の縛りはないものの必須条件として求められていますが、男子にはそのような条件はありません。

はたしてステップ(昨季までのコレオステップ)とどのように差別化するのか?  また、女子はどの程度スパイラルを盛り込んでくるのか?

もちろんまだ試合に出ていない有力選手もいますが、そろそろエレメンツとしてどのようなものとして実施されているのか見えてきたところで、

実施されたコレオシークエンスについて高評価を得ている選手や印象に残った選手をまとめてみたいと思います。

番外編として、ノーカンになってしまった選手について、何が原因だったのかを考えつつ分析してみます。

独断と私見に基づきますので間違っているところがあるかもしれませんが、お気づきの点がありましたら優しくご指摘くださると幸いです(笑)

 

コレオシークエンスの基礎点は2点、レベル認定はなく加点減点のみでジャッジが評価します。(ここまではさすがに合っているかと)

以下はスケートアメリカ(SA)、スケートカナダ、カップオブチャイナ(CoC)において加点が1.0以上ついた選手を1.0から列記しました。

男子は、女子がです。( )内は大会名の略称です。参考までに、ここまで3大会のうち2大会に出場している選手の場合は加点が

1.0以下でも併記しました。

 

1.0→ハビエル・フェルナンデス(SC)、アダム・リッポン(CoC)村上佳菜子(SC)、キャロライン・ジャン(SC)、キーラ・コルピ(CoC)

1.1→町田 樹(SACoCでは0.7

1.2→織田信成(SC)、フローラン・アモディオ(SC)鈴木明子(SC)、ケイトリン・オズモンド(SC)

1.28→アデリナ・ソトニコワ(SC)

1.3→小塚祟彦(SA)、パトリック・チャン(SC)ユリア・リプニツカヤ(CoC)

1.4→トマシュ・ベルネル(SA)アシュリー・ワグナー(SA)、浅田真央(CoC)

1.5→高橋大輔(CoC)

(番外:ノーカウント→メイテ(SA)、ヘッケン(SA)、羽生(SA))

 

一部を除いてほとんど表彰台に上がったメンバーが揃っています。また、特に加点が高い選手にステップが得意な選手がちらほら散見されるのも特徴でしょう。

女子はともかく、結局男子はステップの変形にせざるを得ない→ステップが得意な選手が有利となったのではないかと分析します。

初戦のスケートアメリカではノーカウントが3名出てしまいましたが、これはまだ実施するにあたってジャッジの判断基準があいまいなところもあるのではと推察します。

女子は明確にスパイラルをしっかり入れること、男子の場合はリンクを広く使うこと(これは明言されています)で少なくともノーカウントは避けられるかと予測しています。

いずれの選手も次の試合からは修正してくると思いますので、さほど大きな問題点にはならないと考えます。

個人的な印象ですが、私の印象に強く残ったのは男子は高橋選手、女子は浅田選手とソトニコワ選手、リプニツカヤ選手でした。

ワグナー選手のコレオシークエンスもいいとは思うのですが、昨季のコレオスパイラルほどのインパクトは感じませんでした。

(あくまで個人の感想ですのであしからず)

 

それよりも気になるのが、このコレオシークエンスが必ずステップの後でなくてはならないという条件です。

この条件が盛り込まれたことによって、却ってプログラムの自由度や個性が損なわれてしまったのではないかと私は危惧しています。

なぜなら、振付師は曲調に合わせてジャンプやステップ、スピンなどのエレメンツを配置するからです。

必ずステップの後でなくてはならないとなると、ジャンプの配置に振付師は相当苦労したのではないかと思われます。現に、バトル氏やタラソワ氏がぼやいているのは

聞き及びましたし(タラソワ氏はぼやきを通り越して怒っていましたが)ただでさえ今季は他にもスピンのレベル要件も改変されて、振付師も選手も対応するのに苦慮して

いる様子が見受けられます。

 

本来「自由に、独自性のあるエレメンツを」という目的があるのでしたら、いっそステップの後という縛りなどなくして楽曲に合うよう好きな個所に入れる方がより良い

コレオシークエンスになったでしょうし、ジャンプなどのウェルバランスもその方が無理がなかったのではないかと思えてなりません。

予め予定構成がご丁寧にジャッジの手元には届いているのですから、順番などわかるはずです。(ジャンプの変更はよくありますが、ステップやスピンの位置を変えることは

まずないですからわからないはずはないでしょう)

徒にルールを弄繰り回すことを良いとは思いませんが、ステップの後とする縛りだけは撤廃してほしいと個人的に思います。


遅くなりましたが中国杯男女リザルト&感想

2012年11月05日 | フィギュアスケート

どうも最近の風邪は性質が悪くていけません。熱は下がりましたが、咳は依然として止まらず。

食欲は少し戻りましたが、まあこれに関してはこのままでも別にOK。

閑話休題。早速男子から。なかなか予想外な展開でした。

<男子リザルト>

1.町田 樹         236.92(SP2/FS1)

2.高橋大輔        231.75(SP1/FS2)

3.セルゲイ・ヴォロノフ  217.61(SP3/FS3)

4.アダム・リッポン    205.48(SP4/FS4)

5.ケビン・レイノルズ  202.07(SP6/FS5)

6.Yi WANG      188.27(SP8/FS6)

7.Jinjin GUAN    171.04(SP9/FS7)

 

9人でスタートしたはずなのに、FS終了時には7人。もともとフルの10人でも少ないのに7人とは。

ジュベール選手は往きの機内から既に具合が悪かったという噂を聞きましたのでやむを得なかったのかもしれませんが

(元々腎臓移植を受けている方ですので、体調を崩しやすいようです)6分間練習での衝突で無念の直前危険を余儀なくされた

ナン・ソン選手はさぞ悔しかったものと推察します。しかし打ち所がかなり危ないところでしたので、ゆっくり休んできちんと

直してからまたリンクに戻ってきてほしいと思います。お二人ともどうかお大事に。

そして、表彰台にはまた日本勢が二名。しかし、その順位は私を含め大方の予想を大きく外すものだったと思います。

町田選手はスケートアメリカで表彰台に立ってから、いい意味で自信が出てきて大変良いと思います。SP、FS共に

今季はとてもいいプログラムですしね。今回の優勝で、早くもファイナル進出確定です。ぜひソチのファイナルでも

はばたいてきてください。

高橋選手は公式練習の時から今ひとつ調子が良くなさそうに見えましたが、やはり調子が上がりきらないまま初戦が終わってしまった

感じなのでしょうか? 今回、異常な厳戒態勢下での大会参加でしたが、それでも終始落ち着いていたのはさすがです。

次はNHK杯、厳しい戦いになることが予想されますが、高橋選手ならきちんと調整してくることでしょう。期待しています。

 

<女子リザルト>

1.浅田真央            181.76(SP2/FS1)

2.ユリア・リプニツカヤ     177.92(SP1/FS2)

3・キーラ・コルピ         169.86(SP4/FS3)

4.ミライ・ナガス         163.46(SP3/FS4)

5.ジジュン・リー         160.06(SP5/FS5)

 

鳴り物入り(?)でシニアGPデビューしたリプニツカヤ選手は確かにいい選手だと思います。ジャンプだけでなく、スピンでも

確実に点を取れるのは強みと言っていいでしょう。しかし、ジュニアとシニアでは求められるものもプレッシャーの大きさも全然違うことが

今回の彼女には嫌というほどわかったのではないでしょうか。

SPは要素も少なく時間も短いので手堅く点を稼ぎ、がっつりリードできると思っていたようですが(本人談:もっと点数がもらえると思っていました)

ジャンプやスピン以外の要素、そして5コンポーネンツできちんと評価を受けることはそう簡単ではないです。(それでもシニア初参戦の割には

結構彼女もPCS出てますが)

何より彼女が戦った相手がオールラウンダータイプの浅田選手だったことも、そう簡単に勝たせてもらえなかった理由の一つだと思います。

そんな浅田選手でさえ、やはりシニア初戦のGPシリーズは初戦で中国杯、しかも2位で優勝はスルツカヤ選手だったことを思い起こすと

なんとなく感慨深いものがありますね。

ちょっと話がそれましたが、とにかく初戦で勝つということは大変難しいことです。昨季負けなしだった(ロシアナショナル除く)リプニツカヤ選手に

とってはとても悔しい初戦だったかもしれませんが、大変高いポテンシャルを持った選手であることは今回で十分証明できたと思うので、

次戦のTEBでは今回見つかった課題に対して対策を講じてまた頑張って欲しいと思います。

浅田選手については、SP初披露でしたがほぼノーミスで(回転不足はジャッジの気分次第ですからね^^)滑りきったのには安堵したかと思います。

そろそろ中堅からベテランと呼ばれるキャリアを既に彼女は持っていますが、いまだに初戦はかなり緊張するようなので、これで次戦のNHK杯では

もっとリラックスして臨めるといいですね。

FSのスワンレイクは2A+3Tがもうちょっとでもったいなかったですが、後はよかったと思います。(あ、ルッツの抜けももったいなかったですが)

なぜあんなにURがついたのか理解に苦しみます。JOの3連はともかく、今回は足りていたと思っていたのでプロトコルを見て驚きました。

特に3Fは加点がついてもいい出来だったと思うのですが…。今度はループでなくてフリップつぶしを狙っているのでしょうか。

いずれにしてもあまり気にせずのびのびと滑ってもらえたらと思います。あと、ちょっとJO披露時から省いた振りはまた復活させてくれると嬉しいです。

それから、申し訳ないですが私が見た感覚ではコルピ選手よりもナガス選手の方が良かったと思います。コルピ選手は2つ抜けがありましたし、

その他回転が怪しいジャンプもあったのになぜか一つもURが無いんですよね。なぜですかね?

ナガス選手など7つのジャンプのうち3つUR,2つでDGという厳しいものでした。演技全体を見て、そこまで足りてなかったらさすがに素人でも

気づくと思うんですが、全然そうとは思えなかったんですが、おかしいですねえ…??

地元中国のジジュン・リー選手もシニアGPデビューでしたが、癖のないジャンプや気品のあるスケートでいいですね。このまま着実に育ってほしい

選手の一人です。余談ですが、なかなか愛らしいお顔の所為か、一緒に見ていた家族が気に入っておりました。蛇足情報失礼。

 

ペアは地元のパン&トン選手が優勝でファイナル決定ですね。怪我の具合がよくないと聞いていましたが、さすがです。2位は川口&スミルノフ組。

ダンスはフランスのペシャ&ブルが優勝でした。順当と言っていいですね。(この行5日に追記)

 

ともあれ、男女で日本アベック優勝おめでとうございます。次はロステレコム、女子はロシア勢の熱い戦い、男子は日本勢とチャン選手などの

これまた熱い戦いが予想されます。皆さん怪我や体調不良になることのないよう、お気をつけて頑張ってください。

 

以上