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SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

続いたネタ17 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2015-12-18 00:01:14 | 習作SS

続いたネタ17 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり


1945年 大日本帝国 

イタリカでの戦いが終結した時、
環太平洋諸国会議が成功裏に終結し外交によって日本の覇権が改めて確立された。

日本は覇権国家として太平洋諸国の宗主国として立場を改めて表明した。
また同時に宗主国として配下の国々の発展を約束するものとして、産業育成を手助けうると同時に、
安定した食料の供給を実現させるため史実の緑の革命に値する「稲荷計画」を発表すると東南アジアを中心に感謝の声が相次いだ。

さらに軍事面でも引き続き援助に育成は惜しまない事を表明し、
新規に艦艇を始め各種装備の援助と各国に属する軍人の留学や交流を今後進めていくことを発表した。

某半島や、某大陸の勢力は不穏な動きを見せるより先に、
現在日本中央情報局を率いる堀悌吉に、内務省のアカ狩りの阿部信行が「おもてなし」をしたことで、
会議の最中の二勢力は日本への支援要請、はやい話「もっとクレクレ」を除けば実に静かであった。

そして夢幻会ではその総括が行われた。

「各種支援政策は資源との交換、という形を取っていますが今は基本赤字ですね」
「搾取ばかりじゃ付いてこないから身銭を切らなければならないか、宗主国は大変だな、本当に」

辻の報告に嶋田がため息を吐く。

「当然ですよ嶋田さん、
 色々悪口を言われている史実のアメリカですけど、
 何だかんだと言って世界の警察官としてそれなりに面倒を見てきたのですから。
 アメリカが滅び、日本がその代わりに警官になった以上面倒を見なくていけません」

「分かっているさ、辻。
 今は身銭を切っているがこれは将来への投資、
 10年後、20年後へのそうであろう、大蔵大臣殿?」

「ええ、もちろん。
 将来の市場として育てるのが目的なのですから、
 購買意欲が乏しいままでは今は国内の市場で完結できても、
 いずれは飽和状態になり、外に市場を求めるようになるものですから」

辻の言葉に夢幻会の面々が頷く。
現在日本は戦争終結による軍の動員解除と軍縮で市場に多数の労働者が集まり、
同時に削減された軍事費を国土開発の予算へ変えたたため各地で開発ラッシュが始まりつつあった。

だが、市場の成熟による活気の喪失、
そして平成の不況を知る夢幻会では将来市場となりうる国々に対して、
市場となり得るように今の内に援助することで、将来の進出に備えていた。

「各国の海軍の増強は海保としてもありがたい。
 正直海保だけでは密輸に不法移民を完全に取り締まることはできないから」

そう南雲が話す。
元々インドネシアなどに対して艦艇を提供していたが、
今回はさらにアメリカ西海岸諸国への艦艇の提供、
さらにこれまで提供していた国々対しては人材を育成するための援助拡大を決めていた。

今や無敵艦隊となった大日本帝国海軍だが、
その活動範囲は戦前の西太平洋どころか太平洋の全てに印度洋。
さらにはドイツを見据えて紅海、そして遥々大西洋までもが活動の範囲に入っており、
海保だけでは足らず、負担軽減のために各国の海軍育成は急務であった。

「しかし、以外だったな。
 某国とか某大陸がたしか陰謀を企んでいたが予想よりも静かだった」

「我々は最悪首都でテロを想定していましたけど、杞憂でよかったです」

嶋田と辻が安堵のため息を吐く。
夢幻会は大陸と半島勢力がここぞとばかりにテロ、
あるいは局地的な紛争をわざと発生させて会議に泥を塗ってくることを懸念していたが、
実際に見つかったのは予想よりも遥かに小規模かつ、影響力が低いものばかりであった。
最もそんな小さな陰謀もアカ狩りの阿部とその指揮下にある剃刀の異名を頂く官僚が容赦なく締め上げていった。

「そして、ドイツもだ。
 あれだけ黄色いSSを宣伝していたから、
 会議の最中に何かやらかすと思っていたが音沙汰なしと来た、内務省の調査は?」

「内務省は既に日本に入国した黄色いSSのメンバーを捉えていますが、
 不審な動きは見せていませんでした、とはいえ現在も引き続き調査を進めています」

嶋田の質問に阿部が即座に回答する。

「朝鮮と満州の国境で騒ぎが起こることも考えていたがこっちも静かだったな―――陸軍は?」

「大陸に展開している陸軍からの報告では平穏そのものだとのことです、総理」

さらに嶋田の問いに永田陸軍大臣が返答する。
会議の期間中、大陸に派遣されている東条率いる陸軍は大陸で騒動が起こるのを警戒し、
緊張の日々を過ごしたが、馬賊や共産匪賊の類が出没する以上に大陸の日常に変化はなかった。

「ふーむ、妙ですね。
 日本の顔に泥を塗るならこのタイミングがベストのはずですしたけど?」

「辻でも分からないのか?」

「わたしだって人間ですから、
 そうですね、某眼鏡委員長の言葉を借りるなら
 『なんでもは知らないわよ。知ってることだけ』ですから」

「おお、まさか辻から委員長の台詞が聞けるなんて!!」

「あ、そういえば。
 この前大使館から化物語シリーズのDVDと小説一式が届いたな」

「くぅ~~、よし次の夢幻会の集まりはシリーズアニメの観賞会と行こう!!」

辻の口から出た化○語の有名な台詞に一部夢幻会がやいのやいのと勝手に盛り上がる。
前回はゲーム、その前はまど☆マギ劇場版鑑賞会と欲望に忠実すぎる面々の反応に嶋田が米神を抑え、
非転生者の永田陸軍大臣は最初は戸惑ったが今ではすっかり慣れ、黙って騒ぎが収まるのを待つ。
最も、最近夢幻会の布教活動(洗脳)でアニメにも関心を持つようになり少しだけ楽しみにしていた。


夢幻会、趣味談話中。


「で、話を戻すぞ。
 たしかに会議中に問題はなかった。
 しかし『なぜこの時に行動に移さなかったか分からない』そうだな?」

1時間ほど好き勝手にオタトークを繰り広げていた夢幻会を前に嶋田が話を戻す。

「残念ながら……暗号解読も最近は」

中央情報局の堀が代表して肯定する。
他の面々も苦虫を噛み潰したような渋い表情を浮かべている。

「トランジスタ技術公開は早かったか…?」

嶋田がそう綴った。
トランジスタの公開は今後の技術発展に不可欠で、
いつかは公開する必要はあったが公開したここによって、
自らの暗号が解読されている事を理解した各国は暗号を大幅に変えるか、

あるい電波などを使用しないより原始的な手段に回帰しており、
以前のようにあらゆる情報が即座に手に入るとは言いがたい状況になった。

「今更悔やんでも仕方がないですよ、嶋田さん。
 それよりも、私はそろそろゲートに関して少し飴を与えても良いころだと考えています」

「大蔵大臣、飴?
 まさか以前イギリスやドイツが提案していた武官を入れるのですか!?
 日本国はナチスに技術を提供しなくても21世紀では公開されている技術や、
 自衛隊の兵器を武官達が見れば、それを参考にナチスの軍事技術が向上することは避けられません!陸軍としては断固反対いたします!!」

真っ先に反対を表明したのは永田陸軍大臣であった。

「まあ、落ちつくといい。永田大臣。
 辻が提案するのはどうも違うようだ、そうだろ?」

「はい、総理の言うとおりです。
 私はイタリアが提案した学術団体の受け入れをすべきと考えています。
 ゲートで収集した文物の解析に国内の大学は頑張っていますが基本欧州文明がベースなため、
 欧州文明に関する専門家がどうしても不足するので、国外の研究者に助力を得る必要があります」

辻が嶋田の問いに淀みなく答える。

「それだけでないな、
 情報公開で門という新たなフロンティアを得た日本に対する嫉妬を和らげる、
 日本は決して人類の宝を独占するわけではない、そうアピールするのが狙いだな、辻」

「ええ、そうです。
 無論、門の向こうの世界には入れません。
 門からこちらに運んだ文物についてのみ研究させます。
 我々は門に関する研究が進む上に国際政治的にプラスとなりえます。
 それにイタリアはどうも融和政策を狙っているようですからこれに乗りましょう。
 ついでにドイツとイタリアで待遇に格差を設ければ、チョビ髭伍長が疑心暗鬼に陥るかもしれませんよ」

「どうしてイタリアが優遇されるのは、疑問を持たせる。
 ゲートという餌を前にドイツとイタリアを仲違いさせるのか、エグイな」

辻の相変わらずな政治策略に嶋田が引く。

「が、面白い案だ。
 詳細について煮詰めてみようじゃないか」

嶋田がそう宣言すると夢幻会の面々も同意するように頷きを返した。
うまくいけば枢軸連合を分解できるかもしれず、場はやや興奮していた。



この日、夢幻会はイタリアの提案を受け入れることで同意したことを記す。









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