「やっぱ、家(ウチ)がいい!」
これは例え外泊ではなくても長時間の外出後に自宅に戻った時に
必ず感じることなのですから不思議なものです。
2日に渡る“サントリー・ドライ漬け”の旅も
梅雨の谷間の晴天に恵まれ無事終了しました。
まず一日目の最初の訪問地は酒処新潟の有名酒造メーカー(らしい)H酒造。
日本酒があまり好みでなくほとんどメーカー&ブランド名は知らず
「金賞受賞」と言われても味の違いが全く判らないのですから
まさに“猫に小判”、お土産も試飲で一番美味いと感じた
甘酒(商品名:あまさけ)になってしまったのです。
地震で壊れ最新設備に生まれ変わったという工場は
あまりに無機質で、これなら昔ながらの大樽が並ぶ
地元須坂の遠藤酒造所の方が“らしさ”があります
次に訪れたのは海岸の岩場を遊覧船で巡る「笹川流れ」。
この歳になるとこれ以上の岩場の景色はあちこちの海沿いの観光地で
何度もお目に掛かったことがあり、パンフレットで謳う“感動の景観”は看板倒れかも…。
“流れ”はもちろん潮の流れがキツイことに由来
ここに写っていない人は目下トイレ中
これらのサモナイ時間潰しの後、私としては楽しみにしていた旅館、萬国屋へ。
3つ4つある大浴場はさすがにどれも露天風呂付きで大きく立派でしたが
所詮コンクリート造り、また信州の近間の温泉と言えばほとんどが硫黄泉で
その匂いと上がった後のツルツル肌がいかにも、と思わせてくれるのですが
泉質のためかそんなこともなく、何か物足りませんでした。
また、宴会での夕食は魚中心のよくある御膳で特別に舌鼓を打つ料理もなく
かつ当然のようにほとんどが冷めた料理なのですから
むしろ翌朝の普通のビュッフェスタイルの方がはるかに美味かったです。
一日目昼食。旅館の宴会御前もほとんど同じようなもので
私はこれが二食続くと「もう、いいや!」になってしまいます
そもそもこうした個々の御膳による宴会スタイルは
美味いものをその場で味わうにはどうも向いていないのではと思います。
理由は明白、固形燃料を利用する陶板焼きや鍋物、そして吸い物などの汁物以外
天ぷらも焼き魚も煮物もほとんど冷めていることが多いからです。
多人数分を調理する作る側の事情はあるにしろ
また個室または団体毎に仕切った空間で行なう日本的な宴席が
酒中心になりがちであるにしろ、やはり暖かい料理は一味も二味も違うのですから
例えば真ん中にビュッフェスタイルの屋台を配置したり
回転寿司方式を上手く利用したりして、暖かい好きな料理の作り立てを
その場で提供できるようにした上で、さらに個々の騒がしさは遮断される等
画期的な工夫が何かないものかと思えてなりません。
いずれにしても「全国7位」に大きな期待を事前に持ち過ぎていたためか
特に「これは素晴らしい!」と感じた点るもなく、結論からすると
8畳間に5人・1泊2食付き15000円(税別)ではこの程度ということなのでしょう。
そして2日目午前中の出羽三山・修験道の神社詣にしたところで
山伏姿の案内人と吹き鳴らすホラ貝がちょっと物珍しかっただけで
山国信州から同じような山岳信仰の場所への観光では
特別な感慨が湧くことはありませんでした。
日本人は神と仏を、よくもまあ
こうもごちゃ混ぜにして崇められるものですね
帰る心配のない泊りがけで酒を浴びて交流を深める意義は認めるものの
月1回は飲み会を催している上でさらに、今ではほとんど廃れている
“強引なお酌”が残るジジイ達の宴会がメインの旅行に少しばかり疑問を持つと同時に
この「無尽」の目的である肝心な年1回の旅行が一泊二日では
いくら高速道路網が発達したとは言っても行ける距離はせいぜい片道600㌔
所詮「まあ、こんなもんか…」と思うしかしょうがないのかもしれません。
かように辛口の批判を口にしてはいても、今からすでに来年が楽しみなのですから
“それなり”に充分楽しかったことは付け加えておかなければなりません。