過去の私の尿管結石での経験のように
日赤が今でもとりあえず痛み止めの錠剤を手渡すだけで
「朝になったらきちんと治療を受けなさい」とその日は帰してしまう“緊急”での対応が
今でもそのまま続いているのか知る由もありませんし、今後知る必要もありません。
今回このT病院の夜間・休日での対応を知りましたので
もう2度と少なくても自ら進んで緊急で日赤に駆け込むことはないはずですから。
(腸閉塞の症状の現れ方)
多くの場合、腸が詰まった瞬間に
突然発症し激しい腹痛と吐き気・嘔吐が起こります。
腹痛は、きりきりと強い痛みが起こり、しばらくすると少し和らぎ
これを繰り返す「疝痛(せんつう)発作」と呼ばれる特徴的なものです。
嘔吐の吐物は、最初は胃液(白色から透明で酸っぱい)や胆汁(黄色で苦い)ですが
進行すると腸の奥(小腸や大腸)から逆流してきた腸の内容物となり
下痢便のような色合いで便臭を伴うようになり吐糞症(とふんしょう)と呼ばれます。
嘔吐の直後は、いったん腹痛や吐き気が軽くなることが多いようです。
腸間膜も圧迫されたり、ねじれたりする絞扼性(こうやくせい)腸閉塞では
激しい腹痛が休まることはなく、時間とともに顔面蒼白、冷汗、冷感もみられ
脈や呼吸も弱く速くなり、ショック状態になります。
突然の疝痛と呼ばれる激痛に襲われ、その原因が腸閉塞と診断されて
入院病棟の北棟〇55号室に運び込まれた時には
すでに丑三つ時の午前3時を回っていました。
一段落したところで居眠り運転しそうになりながらとりあえず家に帰り
倒れ込むようにベッドに入り昏睡した、と思ったらケータイの呼び出し音
まだ3時間も経っていない朝の6時、まさか“容態の急変”では…。
が、それも取り越し苦労で
二人の娘から立て続けに母を心配する電話だったのです。
再度検査をしてその結果と治療の説明を改めてするので午前9時に来るように、と
N先生から言われていたので、睡眠不足で意識朦朧のまま
いつものようにトースト2枚の朝食を取り、再度クルマで15分足らずの病院へ。
孫世代とスキーのイントラで顔を合わせる中高生
そして日常生活で交流の多い60から上の世代の年齢は何となく判るのですが
世の中を背負っている肝心な20~50代世代の年齢を
見た目で判別出来なくなっていてこのN先生の年齢もよく判りません。
30代かな?と思ったTシャツ姿と打って変わり
白衣に着替えて表れた姿を見るとゆうに40歳は過ぎているかも…。
いずれにしろ、見た目で信頼感が大いに増したことは確かです。
そして受けた説明は下記のようなものでした。
(病気の原因)
腹部を切る開腹手術を受けたことのある患者さんでは
腸と腹壁、腸同士の癒着が必ず起こりますが
癒着の部分を中心に腸が折れ曲がったり、ねじれたり
癒着部分でほかの腸が圧迫されたりして腸が詰まる場合が最も一般的です。
彼女も過去に開腹手術の経験があり
小腸の下の方に一部細い個所があり、そこに消化が悪い今が旬の
野菜等の繊維質が何かの拍子に詰まってしまったものと思われます。
(治療の方法)
腸がねじれたりする絞扼性(こうやくせい)腸閉塞ではないので
80%は手術しない保存的治療で治ります。
まず食事や飲水を中止し、胃腸を休め、十分な補液を行い様子を見ます。
それでも詰まった物が流れず、病状が進行して腸の張りが強くなった場合は
鼻から胃や腸まで管を入れ嘔吐の元となる胃や腸の内容物を体の外に吸い出します。
腸の張りが少なくなれば、腸から吸収され出し快方に向かいます。
おならや便が出れば、腸の通過障害は一応治ったことになりますが
腸が詰まった原因、つまり癒着や腸がはまり込んだ
おなかのくぼみ等は治らないため、再発の危険は残ります。
手術的治療は、おなかを切ることで新しい癒着を作ることになり
腸閉塞にいっそうなり易くしてしまうため、避けるのが一般的ですが
保存的治療を4~7日続けてもよくならない場合は手術が必要となります。
いずれにしろ、治療時期を逸すると生命の危険があるため
迅速で慎重な判断が要求されます。
ベッドの上の女房は点滴の2本の針が腕に刺さったまま
朝になった今でも「痛ァァァ~ィ」と「ウェ~」を繰り返していました。
ふらついてトイレにも行かれないので
ベッド脇にはポータブルトイレが持ち込まれていて
ここでオシッコをするそうですが、もちろんウンコは出ないそうです。
まずは消化が進んで自然に詰まりが解消することを期待する初期治療とは言え
せめて痛みだけでも解消させる方法はないのかと正直、思えてしまいます。
後日女房から聞いた話ですが、N先生が言うには
病院の先生間では「腸閉塞にだけはなりたくないよね!」と囁かれているそうです。
もしかしたら、鎮痛剤の点滴さえ効かないこの激痛と
後にお話しする“鼻から管を挿入し〇〇を吸引する”ことになるからなのかもしれません。
(続く)