消化が進んで溜まっている内容物が自然に
流れ始めることを期待された初期治療の結果が知りたくて
早朝から病院に行ってくれている長女に続いて早目に病院に出向き
病室に入って目にしたのは、腕の数本の点滴に加えて
ビニール管を鼻から入れられた女房の痛々しい姿でした
「そうか、やはり管が挿入されてしまったんだ…」とちょっとばかり落胆。
こうなると4~7日間はこの状態、管が抜けた後も点滴→重湯→お粥と
徐々に普通食に近づけて行くのに必要な5日は退院できないはずで
最低でも9日間は入院することになってしまいます。
長女から聞いた話では、二女が一日目の夜に駈けつけてくれた時には
すでにこの可哀そうな状態になっていたそうです。
この「イレウス管」の“説明書”に私が署名したことはなく
また伝えてある私のケータイに特に連絡がないまま
彼女が一人で説明を受け署名したのが初日夕方のことだったそうですので
この点は正直、ちょっとばかり不満がないわけではありません。
まあ、それはともくとして、嘔吐は昨日夕方からの薬で治まっているものの
この状態になっても未だ「痛ァァァ~!」のままです。
よく観察すると管の中を
“何か”が吸い上げられる度に苦痛の声を上げているようです。
そして流れて行く管の先の方を見るとこの器械が…。
この左端の容器の黒っぽい中身が噂に聞く
詰まって“ウンコ”に成りつつある小腸の内容物なのでしょう
もちろん臭いを確認することは出来ませんしする気もない、否
ちょっと嗅いでみたいような…。
なお、先生から私が直接聞いたわけではないのですが、これが黒っぽい理由は
炎症を起こしている部分から出血しているからだそうです。
それにしても、担ぎ込まれてもう丸1日以上が経っているのに
女性に寄っては「陣痛の時と同じくらい」と言われる
この激痛と格闘しなければならないのですからタイヘンな病気です。
医学が進歩したこの時代に、敢えてこの痛みを抑えないのには
何か理由があるに違いなく、いずれ機会を見て訊いてみようと思います。
そしてそれに加えて、このイレウス管自体が常に当たる部分のノドも痛いと
言い出しているのですからなんともはや…。
こうして、上からガスやウンコに成りかけの詰まり物を吸引して
腸の膨張を抑え、かつその部分が炎症を引き起こすので抗生物質等を投与され
一切の飲食を禁止された状態はその後“予定通り”やはり4日間も続きました。
胃で食べ物が消化される時間は、食べ物の種類にもよりますが
1.5~4時間程度かかります。
小腸では3~6時間、6~7mという長さの割に意外と通過時間は短く
この間に消化・吸収がおこなわれます。
なお、生きている間は筋肉の働きで
2~3mの長さに縮められてお腹に納まっています。
大腸は長さは1.5~2mと短いですが8~10時間以上消化物が留まります。
つまり、口から入った食物が完全なウンコになる時間は
ほぼ12.5~20時間という計算になります。
正直なところ、ほぼ毎日顔を出していましたので、前後関係や
日にちと曜日の感覚もマヒしてしまい記憶が定かではないのですが
挿入する時も引き抜く時もかなり痛くて苦痛というこの管が外されたのは
確か入院6日目の午後辺りだったはずで
まだ1本だけ腕に刺さっている点滴の針は別にして
ようやく全ての痛みから解放されることになったのでした。
(続く)