三菱ディーラーに勤務し始めて5~6年経った昭和50年代後半の頃
突然、注文車両手配係、営業課長、部品係、サービス課長兼フロントの
4つの主要ポストが同時に退社することがありました。
車検や点検、その他修理の窓口となるサービスフロント及び部品係の欠員は
その日から日常業務に支障が出ますので、外回りの営業は部下に指示することで
カバーしながら急遽、フロント業務に就くことになりました。
いくらクルマが好きとは言っても整備の経験は皆無の私が
現場である工場と不具合を訴えて来るお客様との間を取り持つ…。
具体的には“状況”を作業指示書に記入し工場に入庫
作業は工場長が指示・実行し、終わったらその作業内容に基づいて
ワンライティングの請求書&整備記録簿を発行するのです。
ディーラーの場合、新車購入のお客様の苦情っぽい細かな作業依頼はかなり多く
半分を占めると言っても大袈裟ではないほどですが
これはこれでちゃんとメーカーに対する「売上」になります。
同時にメーカーはこれらを基に
よく発生する不具合に対する対処方法を記載した書面を
「技術情報」としてディーラーに送って来ます。
全て“マル秘扱い”として。
ちなみに、年に1度のマイナーチェンジでは
これらの不具合に対応した部品等が使われたりしますので
新開発の新車の場合、せめて1回はマイナーチェンジした後
出来れば2、3年待った方が機械としての完成度はかなり高くなります。
このマル秘書類の中でもさらに“極秘”の赤いマークがありましたが
前任の退社に伴う緊急的なフロントマンへの着任でしたので
業務の引き継ぎなどしている時間もなく、ましてやこうした書類に関する
特別な注意など全くないままだったのです。
そして2、3月後のある日の午前中、陸運支局から突然
掛かってきた1本の電話がその後の大騒動を引き起こすことになりました。
【三菱自に関する昨日のニュース見出し】
・国交省、偽装車の燃費の公開試験実施。結果は6月に公表
(続く)