団塊世代の私にとって忘れられない感染症は「結核」です。
理由は小学生の頃に確か毎年だったはずのツベルクリン反応検査の
記憶が未だに鮮明だからに他なりません。
何しろいつも「陰性」でしたので、左上腕部には
今も醜いBCGワクチンのケロイド痕が何個も残っているのです。
当時は多くの「陽性者」は何もされず、私のような数少ない陰性者が
改めてBCG接種注射という痛い思いと同時にいつまでもその個所が
傷口のようなぐちゅぐちゅ状態を我慢しなければならず、さらにそこが
"入れ墨"のようなマーク(痕)になることが子供心にとても嫌でした。
ちなみに当初は普通の注射方式による大きなケロイド痕がはっきり1個ずつ
それが小5か小6にはスタンプ方式に変わり小さなケロイド痕が
何個も付きましたが、こちらは歳とともにかなり不鮮明になりました。
そしてこのツベルクリン反応+BCGの効果により結核による死者数は
生まれた翌年、昭和25年は年間12万1769人(!)だったものが
小学校高学年の昭和35年には3万1959人まで激減したとされます。
もっとも、それにしても現時点のコロナ死者数の2.3倍であり
市内での発症者は結構大きな国立療養所1カ所に
隔離入院させられることを級友1人が長期欠席して知りました。
この結核、コロナウィルス(直径 0.1㍈)と比べたらはるかに大きな
結核菌(長さ2〜10㍈、幅0.3 〜0.6㍈)を吸い込むことで
主に肺に炎症が起こりコロナと同じ「2類感染症」に分類されます。
ところが当時、放課後の校庭や市街地の自宅周辺には子供達の叫び声が
溢れていましたし近くの造り酒屋の店頭でコップ冷酒をあおる
オジサン達の姿が消えることはない日常が繰り返されていましたので
「外出自粛」や「酒類販売禁止」など一切なかったはずです。
もちろんあれば嬉しい「休校」などはただの1日もなく、風邪をひいたら
「しろ!」と言われたマスクの「マ」の字の記憶もありません。
この病気、今でも年間2000人程度の死者数を誇る"立派な現役"の
感染症ですので、コロナを知る意味もあってネットを探ったところ
「政府広報オンライン(平成29年11月9日付)」に次の記事を見つけました。
結核を発症した患者は、ある程度症状が進むと、体内で増殖した結核菌を
体の外に排出するようになります。そうした結核患者の咳やくしゃみと
ともに結核菌の混ざったしぶき(飛沫)が空気中に飛び散り、それを
周囲の人が直接吸い込むことによって人から人へ感染します。
ただし、吸い込まれた結核菌の大半が鼻やのど、気管支などにある
繊毛の働きによって体の外へ排出されますし、排出されずに肺に侵入した
結核菌も、体の免疫力によって退治されてしまうので、ほとんどの場合は
感染に至りません。結核菌がそうした繊毛の働きや免疫力を
くぐり抜けて、肺の奥にまで侵入した場合に、結核に「感染」します。
ただし、結核に感染したからといって必ず発症するわけではありません。
通常は、体の免疫力によって結核菌は増殖を抑え込まれていわば
休眠状態になるため、そのまま感染者が亡くなるまで発症しなかったり、
いったんは感染しても免疫力によって結核菌が死滅したりすることが大半です。
しかし、体の免疫力が結核菌を抑えきれない場合、結核菌は感染後
6か月から2年ほどの時間をかけてゆっくりと増殖し発症に至ります。
また、感染者が高齢になったり他の病気にかかったりして
免疫力が落ちると、休眠していた結核菌が増殖を始めて
結核を発症することがあります。
全部ではないにしろ「結核」を「コロナ感染症」に置き換えたら
報道で伝え聞く感染等の解説内容とかなりオーバーラップします。
ただ一番の違いを感じるのは下線部でしょう。
この説明文を読む限りでは、怖い印象はほとんど持ちません。
理由は「いったん感染しても大半は発症しない」と
解釈できそうな表現だからです。
微妙なニュアンスの違いはあるかも知れませんが
昨年2020年結核予防学会のこのポスター「結核の常識」を見ても
コロナほどむやみに恐怖心を煽っていない点、そしてさらに咳エチケットに
関する注意書の1個所以外&イラストに書かれた人々のたった一人以外
「マスク」をしていないのは一体どうしたことでしょう!?
前段については、12万人いた死者数を10年間で4分の1に、さらに昨年には
年間2000人まで激減させることが出来たのですでに
"収束または終息"したと捉えているからと推測できなくはないにしろ
後段のマスクについては、なぜコロナになった途端にかくも
狂信的にモテハヤサレル事態になったのか不思議でなりません。
それも大きさが僅か結核菌の10分の1しかないウィルスに対してですから
凡人が常識的に考えたら何ともおかしな話です。
「医学(または単にマスク)の進歩が側面にある」と言うのなら
上のポスターを作った昨年以降に驚異的に何かが進歩したことになりますが
全然聞いたことはなく事実そんなことはないのでしょう。
これでマスク業界なんてものがありその規模が巨大なら政治的意図を
感じるのですが、そんな話は聞いたことがなく、まあ、高額な
スパコン「富岳」を"効果あり"を導くためのアホ臭い検証に
引っ張り出したところで所詮は単に「感染」に対してです。
そうなんです、感染から発症に至ったにしても私が生まれた以降、最大で
12万人も死んだ結核でさえ「大半は発症しない」という表現で
済んでしまうのですから、コロナの1万4000人など
「喉元過ぎれが…」の如く、後世になったら「発症はほんの一握り」と
言われてしまうのかも知れません。。。
次回、この辺りの感染~発症~重症化~死亡に至る人数の
確率からこの病気の「怖くなさ」を独断と偏見を持って検証します。
(続く)