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ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

「キンゼイ・レポート」を見たぞ エクセレント!

2005-09-03 00:43:19 | Weblog
素晴らしく良く出来たゲイ映画だった。

新しい世界を切り開いていく者の強い意志、保守的な社会を解きほぐしていくことの相当な苦労、それも秘め事とされる性のことだから大変だ。

50年も前、他人の性生活がどんなだかまったく知らず自分は正常なのか?と不安でいた。誰にも聞くことが出来ず、オナニーは害悪だとか、正上位しか駄目だとか、そんなバカなことが真剣に考えられていた。赤ちゃんがおへそから生まれてくると本気で信じられた時代だった。

道徳的な観念で蓋をして、まともに見ようとしてこなかった性の部分を開放することで社会を目覚めさせる。
偏見と差別、そのキンゼイの挑戦はゲイ自身の生き方とも通じて見え、まさにゲイリブの教科書になるような非常に為になる映画だった。

昆虫学者でもある彼はすごい数のタマバチを収集調査していた。
自分自身の性生活の問題に悩み、恥ずかしがらずに医者に聞いて解決できたことから、秘め事であるが故に悩んでいる人が多いのではないか?と思いつき18000人にも及ぶ面談方式でこのレポートをまとめ上げるのだ。
それは膨大な昆虫の標本と同じ仕組みでコツコツ行われた。

キンゼイが授業で生徒に言う強烈な真理の言葉がある
「数多く面談して言えるのは誰一人として同じSEXはしていないということ。人間個人はまったく別の個性を持っているのにもかかわらず、他人を気にして皆と同じになりたがる。多様性を認めればすべてのイザコザは解決できるのに・・・。」

そう、まさに俺たちが唱えている多様性を認め合う社会は皆が幸せになれる社会。槙原の曲「世界でひとつだけの花」の歌詞のとおりだ。

描き方もストーリー展開もうまい、レズビアンの女性がキンゼイに感謝を伝えるところは思い出すたびに涙が出てくる深いシーン。
調査に対する批判や圧力で疲れ果てたキンゼイ夫婦が、森で木の話をするラストは「足元を見直してみたらすぐそこに自分がいた。そうだ、また一歩進んでいこう!」といった自分を取り戻した精気が観客にも伝わる映画的にも一級のシーンになっていた。

初めて統計的に性を調査して社会に衝撃を与えたキンゼイレポートは、俺たち同性愛者にとって初めて自分たちは一人ではないと気づかせた革命的なものであった。もしかしたらゲイの歴史上でも大きなポイントとして記される出来事だろうね。

リブに興味ある人には大変参考になると思うよ、ぜひ見てほしい!!
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