株式会社プランシードのブログ

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その98.段々田とは言いまシェン、棚田です!

2013-06-17 06:45:14 | 制作会社社長の憂い漫遊記
「棚田」と書いて「たなだ」と読む。
高度成長期の小学校の教科書には
アジアの農村風景として「段々畑」は紹介されていたが、
日本の「棚田」は載っていなかった。
そのせいで違和感を持ちつつも
「だんだん田」と言ったりしていた。なんだかゴロが悪い。
しかし環境が国策の柱になり、
「棚田百選」や「棚田サミット」などが新聞に載るようになり、
恥ずかしながら大人になってから「棚田」という言葉を覚えた。
仕事先の関係で日本中の田畑を見るようになり、
道路標識に「〇〇の棚田」とか「〇〇の千枚田」とあると
つい寄り道してしまう。


大阪府千早赤阪村・下赤坂の棚田

初めて見た棚田百選の棚田は「千早赤阪村・下赤坂の棚田」だ。
ほぼ山の頂上にある中学校の校庭を過ぎると
その裏手から谷底に向かって棚田が連なっていた。
人が植えたり、刈ったりしない限り維持できない狭い田んぼが、
山肌に小さな田んぼがカーブを描いて幾重にも広がっている。
誰かが棚田を作り始め、
広げられるギリギリのところまで増え続けていったのだろう。
狭い空間の有効活用の産物だ。



三重県飯南・深野のだんだん田

三重県飯南の「深野のだんだん田」は
石垣で組まれた田が山肌に広がる。
田んぼ1枚の広さはけっこうあり、
小型の田植機やコンバインなら入れる。
その1枚1枚の田の土手が石組みされている。
元は山肌を切り開いた田んぼだったのだろうが、
雨や台風で崩れるので石垣を組んだのだろう。
先祖から続く努力により、今の姿が作られていった。
石垣のせいで圧倒される威圧感がある。



鳥取にある「砂の美術館」では、
「砂で世界旅行・東南アジア編」が開催されており
アジアの風景を砂でカタチにしている。
そのひとつに
山肌に階段状に何百段も連なる棚田で働く人々が描かれている。


砂の美術館/鳥取

棚田百選に登録されている棚田は日本に100ヶ所強ある。
そのうち私が見たのはまだ数カ所だけだが、
百選に選ばれないだけで日本の山間地は総て棚田だ。


小豆島・中山千枚田

「美しい!」と感じる棚田の風景は、
稲作が伝わった古の昔から人間が血と汗を流しながら
長年かけて作り上げた人工物だ。
古墳や城と変わりない。
なのに棚田の風景は自然にとけ込んでいる。
棚田は、ホタルやカエル、ゲンゴロウなどの生き物を育み、
一方では土砂災害や利水にも大きな役割を果たす。
まさに自然と共生する人の知恵の結集だ。


三重県亀山・坂本の棚田


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