株式会社プランシードのブログ

株式会社プランシードの社長と社員によるブログです。
会社のこと、仕事のこと、プライベートのこと、あれこれ書いています。

その99.ありがとう、高校生諸君。

2013-08-04 10:04:10 | 制作会社社長の憂い漫遊記
今年は何だかハードな仕事ばかり…しかし、来るもの拒まず!喝!


東京に泊まりがけで行った。
夜は某テレビ局近くの居酒屋に入ったのだが、
案内されたのは若者5人組の隣席。
みな日焼けしているが何だかか細くて、疲れた顔をしている。
聞くとわなしに話が聞こえてくる。
内容からするとテレビ局関係者、
AD(アシスタントディレクター・助監督)のようだ。
しきりに彼らが付いたディレクターの愚痴を言い合っている。
「段取りが悪い」と言っているようだ。
他には…「段取りが悪い」しか聞こえない。
おいおい!「段取りが悪い」以外ないのかよ。
そもそも段取りが悪い原因は2つしかない。
一つはディレクターとADのコミュニケーション不足。
いわゆる事前の会話不足だ。
もう一つはADが仕事をしていない場合。
というのも段取りを組むのがADの仕事であり、
段取りが悪いのは、つまりADの能力不足ということになる。
映画の助監督でもチーフの仕事はスケジュール立てだ。
天気の変化や、交通渋滞による出演者の遅延なども予測し、
段取りを組まねばならないし、
極力スタッフに手待ちがないようスケジュールを組まねばならない。
だから助監督の中でもチーフがスケジュールを立てる。
テレビ制作でもスケジュール立てはチーフADの仕事だ。
だから「段取りが悪いのは君たちのせいなのだよ」
しかし段取りの悪さだけの愚痴はいかがなものか…
せっかく未来のディレクターが5人も集まって呑んでいるなら
自分たちが作りたい作品について語ろうよ。

東京から帰った翌日、
「なんばハッチ」にファッションショーを見に行った。
高校生による高校生のためのファッションショーだ。

高校生がデザインし作った服を、
高校生がモデルになって登場する。
大画面にその姿が映し出されるが、
カメラマンもスイッチャーも舞台進行ADも、
スタッフはみな若い。
私のような腹の出た白髪頭はいない。
高校生には見えないが、みな20歳代前半だ。
素人?よもやとも思うが、
たしかにカメラワークはイマイチいただけない。
しかし正直、爽やかな気持ちになった。
一生懸命さが伝わるし、楽しんでいる。


プロになると毎日カメラを持つ。
ズームやバーンは上手くなって当然だ。
だがそれができたからカメラマンなのだろうか?
ズームやパーンは一技術に過ぎない。
誰でも毎日やっていたら上手くなる。
大切なのは「発見」だ。
被写体を見て感動し、発見することだ。
私はプロとして30年以上やってきた。
いまだに仕事が楽しくてしかたない。
感動の喜びを感じるし、発見の喜びを感じる。
「なんばハッチ」の会場にも
楽しくて楽しくてしかたないという若い匂いが、
満ちあふれている。


実は明日から2日間で編集を仕上げなければならない。
東京でADのつまらぬ愚痴を聞いて編集に入っていたら、
たぶんノリが悪かったろうが、
「なんばハッチ」でいい空気を吸わしてもらったので
テンションが上がってきた。
きっとまたまた『名作』に仕上がることだろう。
ありがとう高校生諸君!
そしてAD諸君、深呼吸して、いい空気を吸いたまえ!
またどこかで会おう。あばよ。


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