株式会社プランシードのブログ

株式会社プランシードの社長と社員によるブログです。
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その128.ニコニコ顔の命懸け

2014-03-25 06:48:24 | 制作会社社長の憂い漫遊記
私の仕事っぷりをみた一般ピープルに
「楽しそうですね」とよく言われる。
事実私はいつもニコニコと仕事をしている。
例え泥だらけになろうが、雨や雪の中であろうが、
楽しそうにニコニコ顔。
でも「そんなに羨ましければ貴方もしてみませんか」と誘うと、
たいてい「私には感性がないし…」と。
一番大きな理由は「儲からなさそうだから…」
と思うのだが(実際儲かりません!)、
感性が必要だとも皆さん認識しているようだ。


  25年ほど前、加藤先生の料理番組で
  演出をさせていただいた

では私には感性があるのか?
感性が人より旺盛だからこれまで続けられてきたのか?
確かに感性を磨く努力は日々しているが、
それよりも強いのが「この仕事が好き」だからだ。
私の場合、仕事が始まり構想を練る時は己の無力さに自己嫌悪し、
苦しみながら仕事をやり遂げて
納品時にお客さまに少しでも喜んでいただければ、
今度は鼻高々になる。
そしてまた新たな仕事が始まれば
構想段階で自己嫌悪が始まり、終われば鼻高々になる。
その繰り返しで約30年間ジャンルを問わず乱作してきた。
しかし納品時お客さまに喜ばれることはあっても、
自己採点で100満点はこれまで一度もない。
「ああすれば良かった…」と後悔することばかり。
それでも後悔の原因が解った時は「次回に活かそう!」となるが、
たいていは原因不明で
「なんかスッキリしない…」闇の中。モヤモヤしたままだ。
そのモヤモヤをお客さまの満足顔や、打上げで一杯呑んで、
一時的に頭の中から追いやることはできるが忘れることはない。
そして何本目かの仕事中に、ハタとモヤモヤの原因が解る時がある。
無意識の中でいつも気にしていて、何かの拍子に顕在化するのだ。
もちろん顕在化したら次の仕事に活かす努力はしているが、
たいてい「時すでに遅し」。また新たなモヤモヤが蓄積されていく。
練習はない。毎回本番で、毎回違う。
お客さまの数だけ違うものを作らねばならない。
臨機応変に対応し、お客さまの思いをカタチにする。
モヤモヤが溜まるのも無理はない。
しかしモヤモヤを解消しなければ、いい作品は生まれない。
わかっているからこそモヤモヤする。
そうこうしながらこの仕事を30年も続けている。

身体が丈夫で、最低限自分の体重を支える体力があるかぎり、
おそらくあと10年はこの仕事を続けることになると思う。
その原動力は、抜群の感性があるからではなく、
この仕事が好きだからこそ続けようと思うのだ。
好きこそものの上手なれ。
本当にそう思う。
徹夜続きでも、雪や雨の過酷な条件下でも、
ニコニコ顔でいられるのは好きだからに他ならない。
好きと言うのは何よりも強い。
ただ断っておくがビジネスであるから、
好きだけでは、お客さまから「自分の金でやればいい」と言われてしまう。
お金を頂くかぎり、お客さまの思いを形にしなければならない。
そういう観点から私の仕事っぷりをみると『ニコニコ顔の命懸け』である。
実はこの名言は、私の得意先の社長が
展示会の初日朝に必ず社員に対して吐く名言で
「お客さまに接する時はニコニコ顔で!売上目標に対しては命懸けで挑め!」と
社員を鼓舞するために吐く。
これを転じて私は
「命懸けで取り組むからこそニコニコ顔でいられる」と取っている。


   徳島のとあるビルの壁面に命懸けで
   腰を掛ける謎のヒーロー

とまれ、これから先も好きだからこそ
『ニコニコ顔の命懸け』で、頂いた仕事に取り組みたい。
そして最早生きてきたよりも短くなっていく人生にも
『ニコニコ顔の命懸け』で生きていきたい。
棺桶に片足を突っ込んだ時に、私を支えてくれた人々に
「ありがとう」と心から言えるよう、
「自分の人生が好きだった」と胸を張って言えるよう、
これからも『ニコニコ顔の命懸け』で生きたい。

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