ORGANIC STONE

私達は地球を構成する生命を持った石に過ぎないのですから。

正しいオタクの拗らせ方:パシフィック・リム(2013)

2013-08-19 18:04:57 | 映画:SF&ファンタジー
Pacfic Rim(2013)

自称日本アニメ/怪獣おたく、メキシコ人ギレルモ・デル・トロ監督の巨大戦闘ロボット映画。巷にあふれるハリウッドSFアクション大作映画の中でも監督のこだわりが随所に溢れる、面白くて後味のいい大作SFアクション映画。

パイロットが中で操縦する巨大戦闘ロボットは日本のアニメのお家芸だ。ガンダムもマクロスもパトレイバーもちゃんと見たことないし、唯一ファイブスター物語だけ単行本持ってるというそのあたりに疎い私には、この映画のそれらのアニメとの類似点はわからないし、類似していたとしても別に構わない。この映画は戦闘ロボット映画のカルトとして評価されるべき正しいオタク映画だと思う。同じく甲殻機動隊からアイデアを借りた箇所のあるマトリックスがカルトになった様に。もちろん怪獣オタクでもあるということでメイドインジャパンの怪獣たちへのさりげないリスペクトも忘れていない。

この映画、アベンジャーズやトランスフォーマーなど戦闘メカ/ロボット系SFアクションに比べると明らかに違う点がある。それはこの手のハリウッド大作につきもののアメリカ愛国精神が見あたらないのだ。大抵の場合”アメリカとその他”で語られることの多い”WORLD”はここでは本当に地球上のすべてを指す。ここにあるのは愛国精神ではなく”WORLD”を守るため、2人のパイロットそしてロボットと人間の強い絆。アメリカンな愛国色を排除することで怪獣VS地球軍のストーリーが際立ち、各国ロボットの国際色が物語に豊かな枝葉を与えている。ロシア代表ロボ、チェルノ・アルファなんてスピンオフ作れよ!って思うよね。

ストーリーは単純で推測可能、完璧じゃない。しかしそれを以上に細かいこだわりと無駄のない、どこをとっても内容の濃いシーンで隅々までおいしく料理している。何度見ても新しい発見のありそうな味わい。骨までしゃぶれるTボーンステーキのチョコレート煮みたいなものである。(チキンのチョコレート煮はメキシコ料理ね)ロボットや怪獣などヴィジュアルの細部のリアリティへのこだわりは2度目を見たいと思わせるし、可能なら大きいスクリーンで3Dで見てほしいと思う。たぶんDVDだと細かいところが解らないので残念な気が。

こういうオタクの拗らせ方なら歓迎です。

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2 コメント

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Kaiju (Ptd)
2013-09-09 11:39:31
白くじら様お久しぶりです!
長らくブログサボってました。。
TBもありがとうございます!

この映画、久々に面白い映画を見た!って思いました。何度も見に行ってる人もいたそうで、何度見ても面白いだろうなあって思いました。でも興行的にはギリギリ黒字くらいだってどこかで読みました。。。こういう映画が流行って欲しいですよね!
ちょっとマニアックだからかなあ?
笑あり、涙ありの本当に良くできた映画でした!

どこかで見たような馴染みのある怪獣で笑いました!いろいろ進化して飽きさせませんでしたね。

続きが見たいですね!

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こんにちは。 (白くじら)
2013-09-06 18:14:53
お久しぶりでございます。(^^)/

この映画には唸らせてもらいましたねぇ、そして燃えました。
ほぼ完徹に近い状態で観に行ったにも関わらずまったく眠くもありませんでした。(^^)

怪獣、そしてロボット大好きな人たちには大いに受けたのではないでしょうか。そうでない人はストーリー聞いて観に行ってないかも。(- -;;おい

右脳左脳という独特な設定もよかったですが、ロボットや怪獣にも個性を持たせていたのがよかったです。
本当、各ロボットのスピンオフが作られても観に行きますよ。(^^)

トラックバックさせていただきました。
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