ORGANIC STONE

私達は地球を構成する生命を持った石に過ぎないのですから。

生き残る為に必要なもの:ハンガー・ゲーム(2012)

2012-10-10 18:41:24 | 映画:SF&ファンタジー
ベストセラーヤングアダルト小説を基にした、出場者同士が殺しあうゲームに出場することになった女の子のサバイバル映画。ボーンレガシーを見に行ったら時間を間違えてて、急遽「コレでも見るか・・」と見たハンガーゲーム。私バトル・ロワイヤルも見てないし、予備知識といったら弓持った女の子がサバイバルゲームに出るらしいSF映画、って事くらいで。ティーン向けの爽快サバイバル・アクション映画でしょ?って侮ってましたスミマセン。

近未来アメリカ。ここでは毎年12の地域から2人のティーンが選ばれ、殺しあって一人だけが生き残るハンガーゲームというイベントが国を挙げて行われていた。最も貧しい地域に住む16歳のカットニスは、選ばれてしまった妹のために身代わりで出場する。

いや、これはティーン向けサバイバル・アクション映画なんですよ。そこはたぶん間違ってない。でも最初から最後まできちんと丁寧に作られた、誠実でドラマティックな「正しいティーン向けアクション映画」。妹の代わりに主人公がゲームに志願するあたりから我を忘れて彼女に感情移入することになる。社会の底辺で暮らして来たこの主人公の知恵と度胸、強気と内に秘めた情熱、家族と故郷への愛がストレートに描かれ、どちらかといえば地味で無口な彼女がお互い殺しあうという状況でどう立ち回り、成長していくかがこの映画のテーマ。それを殺し合いをゲームと呼びエンターテイメントとしてすべて管理されされるという設定が映画をさらに面白いものにしている。ネタバレするので肝心な部分は言えないけれど、殺し合いがメインではなく、彼女がどう心理戦を戦うかが見所。

貧しい地方の人々が豊かな中央に支配され戦わされる、その一部始終をテレビで観戦する国民。荒唐無稽な設定はしかし、私たちのこの世界のカリカチュアでもある。底にあるのは体制への批判と反逆精神で、Vフォー・ベンデッタに近い。見終わった時に2作目はここに焦点を当てたものになるだろうと誰もが感じると思うし、2作目も見たいと誰もに思わせるに違いない映画。

色気だだもれのイケメンが彼女のスタイリスト役で出てきて、誰コレ!って思ったらレニー・クラビッツだった。いやもう色気凄すぎますこの人!

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