ORGANIC STONE

私達は地球を構成する生命を持った石に過ぎないのですから。

ロバの皮は蜜の味:ロバと王女(1970)デジタルニューマスター版

2007-11-23 22:31:45 | 映画:SF&ファンタジー
Peau d'âne (1970)

1970年ジャック・ドゥミ監督カトリーヌ・ドヌーブ主演、シャルル・ペローの童話「ロバの皮」を映画化した楽しくて奇妙なおとぎ話。デジタルニューマスターされたものを見ましたが、凝った衣装やセット、サイケデリックな映像の美しさは現代の基準からしても十分鑑賞に堪え、特に衣装やドヌーヴの美しさは驚愕もの。フランス人なら誰でも知っているという「ロバの皮」の物語は、一種のシンデレラストーリー。この映画も、フランス人なら誰でも知っている古典的名作とのこと。


娘に結婚を迫る王様。

とある国のお妃が亡くなり、新しい妃を探していた王様は、自分の王女(カトリーヌ・ドヌーブ)の美しさに目を付け、結婚を迫ります。悩む王女はリラの妖精(デルフィーヌ・セイリグ)の助言を聞き、宝物の魔法の「ロバの皮」を被って隣の国へ逃げ、身分を隠して働きます。ある日通称「ロバ皮ちゃん」こと王女に一目惚れした王子様(ジャック・ペラン)。王女が作ったケーキから出て来た指環、この指環がぴったりはまった女性をお妃にする、と国中におふれを出すのでした・・・


ロバの皮を被って働く王女(カトリーヌ・ドヌーブ)。可愛いですねぇ・・本当。

結婚を迫る王に、「月の光色のドレス」「青空の色のドレス」「太陽の輝き色のドレス」を作ってくれたら結婚します、という王女。その3色のドレスを王は宮廷の仕立て屋に作らせるのですが、このドレスが凄い。ドヌーブの光り輝くような美しさ+あの美しいドレス、なにが凄いって、生身の本物の美しさはCGと比べ物になりませんって、いい見本。


太陽のドレスの王女。

童話って元々残酷で怖いもの。このお話もそう、実の娘に結婚を迫る王様は童話とはいえ怖いし、いつもロバの頭付きの皮を被っている王女も奇妙だし、小さいサイズの指環にはまる様指の肉切ったりする女たちもグロい(怖いシーンは無いですが)。この映画は37年前のものですが、そういった奇妙な大人のおとぎ話的要素と、ドヌーブの絢爛豪華な衣装、所々に顔を出すフランスらしい気の利いた現代的なスパイスは今見ても新鮮。いや、今だからこそ新鮮に見えるのかもしれません。


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2 コメント

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変な話! (nbm)
2007-11-24 09:44:54
確か、指輪の物語を集めた本に、各国のいろんなバージョンの「ロバの皮」の話が載ってました。シンデレラとも似通ってるけど、もうちょっと入り組んだお話でしたね。で、その本では、「結局何がしたいねん!」って著者(編者?)のツッコミが入ってました。(そんな言い回しじゃないけど)
大好きな王妃が死んで、「そうか、王妃に似た自分の娘と結婚するって手があった!」と、王様が娘に結婚を迫るという設定のバージョンもあって、娘としてはそうなったら何が何でも父王の申し出を拒否せねばとなるはずが、かぐや姫のように難題をつきつけながらも段々と懐柔されちゃう、みたいな。よう、わからん…。
あれを映像化したのかと思うと、観てみたいですねぇ。ドヌーブが溌剌としていて綺麗だし。
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へええ (ptd)
2007-11-24 21:05:25
nbmさまこんにちは。

いろいろありますか、バージョン。
>かぐや姫のように難題をつきつけながらも段々と懐柔されちゃう、みたいな。
それですね、この映画。難題をクリアされて「ああ、お父様の申し出をうけなければ」なんて成り行きに。そこで色っぽい妖精が登場して歌を歌います。「女の子はお父さんと結婚してはいけないのもなのよ♪」。

ドヌーブが可愛いんです。大人の色気、のイメージなひとですが、ロバの皮被ってひらひらとはしりまわるのです。そのアンバランスさにどきどきしましたよ。

フランスでは子供が課外授業でこの映画を見るんですって。
へええ。
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