音楽は環境を救えるか？：無知という環境破壊と LIVE EARTH

「音楽は環境を救えるか？」LIVE EARTHとは７月７日に世界規模で行われる、地球温暖化防止のための啓蒙コンサート。地球規模の大問題、地球温暖化現象とは何が原因なのか？どうしていけないのか？地球温暖化とは、簡単に言えば人間が自然界の大気構造を変えるほど経済活動を発展させて二酸化炭素など温室効果ガスを放出してしまい、そのため気温が上がり出した状態を指します。（この説が一番有力です）そして温暖化によって気候や生態系に異常を引き起こしていることも含め、地球温暖化現象と呼びます。私たちは恵まれた先進国の日本に住んでいるわけですから正直実感としては「今年の冬は暖かいな～」くらいですが、これがツバル人だったら、と想像してみてください、近い将来自分の国が全て海に沈むと。あるいは気候に敏感な野生動物たち、平均気温が１度上がるだけで、植生を含めた生態系は１８０度変化する可能性があります。たった１℃の温度差で発芽しない種子もあれば、たった１℃の温度差で冬を越せない昆虫もいます。そのたった１℃で微妙なバランスの上に成り立つ生態系は崩れ出す。日本でもアルプスの高山植物を筆頭に生態系の崩壊はすでに始まっています。

実際に異常気象の被害が経済活動に影響を与えるまでの規模となった今、やっと各先進工業国は真剣に産出温暖化ガスを減らす動きに入るためのスタート地点に揃ったかに見えます（揃っただけなんですけどね）。しかし先進国が温室効果ガスの削減に努力しても、後進工業国の中国やインドは自国の経済活動を優先するでしょう。自分たちより先に産業の発展で恩恵を受けた先進工業国の後始末を、どうして自分たちがしなければならないのか？自分たちにはかつて先進国がした様に産業活動によって利益を得る権利があるという訳です。彼らを納得させるのは無理の様に思います。温暖化ガスを削減することは、産業活動に影響を及ぼすことが避けられないのですから。また、温暖化ガス削減のため努力しているとは決して言えない先進国は、アメリカ、日本、オーストラリアだということも、知っておいて欲しい事実です。

というわけでかなりの悲観的状況な訳ですが、私たちに出来ることはなんでしょうか。夜一時間電気を消してみる？部屋の冷房の温度を上げる？車に乗らず徒歩にする？それでなにか効果があると本当に思いますか？悲しいことにほとんど無い。100万人一斉にすれば別ですが。なぜならほとんどの温暖化ガスは産業活動によって放出されているのですから。しかし上記に上げた方法を実行してみることにたいした効果は無くても、意味の無いことだとは思いません。ちりも積もれば山になり、エコクーピョンも溜まれば５０円になる（爆）。地球環境に対して問題意識を持つことが私たちがまずとるべき行為だと私は思いますので。問題意識を持てば、知識はおのずと増えます。正しい知識が増えれば、あなたは自分に何が出来るか、何か本当に効果的なのかを判断することが可能になります。その第一歩としての啓蒙活動を目的としているのが前述のLIVE EARTH。

さて本題「音楽は環境を救えるか？」。ゴア米元副大統領が会長を務める気候保護同盟や国際ＮＧＯにより企画されたLIVE EARTH、他のAIDものに比べ（ハリケーン被害とかね）、少々漠然としているのは否めませんし、「温暖化」というトレンディな話題に便乗しただけの商業的戦略と非難されてもいるのですが、その「少しでも正確な情報を、多くの人に(特に若者)」のコンセプトは素晴らしい。今まででもMr.Childrenや坂本龍一は積極的に啓蒙活動を行ってきましたが、世界各国の賛同者たちが地球規模の問題に対してこのような規模でライブを行うということはいままで無かったこと。

先進国に住んでいる私たちにとって、環境に配慮することは義務ではなく、権利であると私は思います。生命の危険も無く経済的危機にも、厳しい自然環境にされされているわけでもない恵まれた現代社会に暮らす私たちには、沢山の選択肢があり、自由に選択することが出来る。環境問題なんて自分には関係ない、と主張する人々にこそ、無知と無関心は自慢できるものでは無いことを理解して欲しい。自分たちの住んでいる地球について、環境について、考えるきっかけを与えてくれるであろうこのLIVE EARTH、環境を救うことは出来なくても、「環境に対する無知」を救うことは出来るはずだと私は思います。

（トップ画像はLIVE EARTHに出演するFALL OUT BOY）