大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

ぽぽろはNPO大阪障害者センターの子育て・教育支援部門です。
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たくさんのご参加ありがとうございました

2010年10月26日 | 専攻科・学ぶ作業所
 今日は堺市の総合福祉会館で第一回「堺(松原)に学ぶ作業所をつくる懇談会」を行いました。(写真は明日掲載します。)

 私が用意した資料は40部、足りたでしょうか?
 昨夜、事務局長のHさんに「資料は何部用意したらいいでしょうか?」と聞くと「30部あれば大丈夫。どれくらい参加していただけるのか皆目見当がつかない」と自信のなさそうな心配声。そのHさんが今日は終始ニコニコ顔でした。
 和室の廊下まで座布団を敷いて座っていただき38人の方々にご参加いただきました。熱心にお聞きいただき、質問やご意見、感想もたくさんいただきました。本当にありがとうございました。それだけで卒後の学ぶ場への関心の高さ、「学ぶ作業所」への期待の高さをうかがうことができ、私たちも身の引き締まる思いでねがいを受け止めることができましたし、これだけの方々の力・エネルギーが集まれば出来るぞという確信を得ました。

 最後にあるお父さんがおっしゃった「障害の重い軽いなどに関係なく誰でもが希望すればもう少し学べるようにしてあげること、根本問題は障害のある子どもたちの教育年限が延長され、めいっぱい青年期を楽しんで教育をうけることができる専攻科のような制度を活用できるようになること!」ホントにその通りです。私たちのとりくみは単なる新しい作業所づくりの事業ではなくて、教育の制度、内容の問題として2年間の専攻科を含めて5年間の高等部教育を、希望するどの子(保護者)にも保障できるようにする運動です。

 「社会は厳しいのだからうまく適用できるように仕事と社会的スキルをつけさせることが特別支援教育では大事だ」というような考え方はまだ根強くあります。これは廃止される予定の障害者自立支援法の「税金を使う福祉の世話になる障害者から一般就労して税金を払う障害者、タックスペイヤーを育てる」という思想と共通しているのではないでしょうか。国連・障害者権利条約に照らしても、更には福祉現場ではすでに一般就労偏重政策とも言える路線が破綻しつつあるときに、文科省や府教委の施策、教育現場の動向はその路線を転換することなくしゃにむに追いかけているように思えてなりません。

 その一方で、今日の親御さんたちの意見を聞くと「兄弟がみんな大学に行く中で、障害のある子どもには初めからそれをあきらめさせて作業所選びをしているのはおかしい!」「せっかく力をつけてきたのに、もう少し教育によって伸ばさせてやりたい」「ぼくはどこの大学に行くの?という我が子のねがいをかなえてやりたい」などという積極的な意見が多く、当事者視点、市民感覚、人権意識といったもの=時代の変化をも感じました。
 障害のない子どもたちが自分くずし・自分さがしの大学生活・青春を楽しんで(といっても、今は就職氷河期と較差社会の厳しい前途が待っていますが)いるときに、障害のある子どもたちが前唐オで職業教育偏重の学校生活を送らざるを得ない現状はおかしいと声をあげていく一歩を踏み出した思いがしました。

 仲間とともにいい失敗を大いに経験し、ゆっくりじっくり自分と社会に向き合い、「子どもから大人へ」「学校から社会へ」に移行するために必要な「移行支援教育」を創造し、専攻科の実現という教育の制度に結実できるように力を合わせましょう。そして、大阪中の各地域にこの運動を広げましょう。

 次回は12月2日(木)です。これは大阪全体の「卒後の学ぶ場・専攻科を考えるつどい」と堺の「つどい」の両実行委員会共催です。午前10時半~12時半、堺市総合福祉会館です。和歌山県で『フォレスクール』というしゃれた名前の「学ぶ作業所」を立ち上げた元養護学校PTA会長(紀南養護専攻科をつくる会会長)の出口さんという方の元気の出る奮戦記をお聞きし、とりあえず堺(松原)に大阪で第一号の「学ぶ作業所」をつくる会を立ち上げましょう。参加費は無料です。ただし、カンパを訴えます。