富士通が2026年度から新卒一括採用を廃止し
通年で職務に応じた人材を採用する
「ジョブ型」採用を導入すると発表
新卒入社者の年収は550万円〜700万円を予定し
専門性を重視した採用を行う方針です

終身雇用・年功序列の崩壊と新たな採用の形
かつて日本の企業文化は「終身雇用」と
「年功序列」を基盤としていました
しかし、近年の技術革新やグローバル競争の激化により
この伝統的な雇用制度は次第に崩れつつあります
その中で、企業はより柔軟で競争力のある
人材確保の方法を模索してきました
特に「新卒一括採用」は
企業にとっては安定した人材確保の手段であった一方
時代の変化が激しい現代においては
適応しづらい側面もありました
そのため、これまでにも一部の企業では
通年採用やジョブ型採用への移行が
進められていましたが
国内有数の大手企業である富士通が
ついに新卒一括採用を廃止する
という決断を下した
このことは、日本の労働市場にとって
大きな転換点となるかもしれません


企業への影響 ─ 他社の追随はあるのか?
富士通の決定は、他の大手企業にも影響を
与える可能性があります
特に、技術職や専門職が多い企業にとっては
より高度なスキルを持つ人材を確保しやすく
なるジョブ型採用のメリットは大きいでしょう
そのため、今後同様の動きを見せる企業が
増えることが予想されます
一方で、日本には依然として「新卒一括採用」を
前提とした雇用システムが根強く残っており
すべての企業がすぐにこの方式を
採用するとは限りません
特に、終身雇用の考え方が根付いている企業や
OJT(On the Job Training)による
育成を重視する企業では
新卒一括採用を維持する動きもあるかもしれません
大学生のキャリア観の変化
富士通の新たな採用方針は
大学生の就職活動や大学での学び方にも
影響を与える可能性があります
従来の新卒一括採用では
「就活解禁日」に向けて一斉に就職活動を開始し
企業の内定を獲得するという流れが一般的でした
しかし、ジョブ型採用が主流になれば
学生は大学在学中から
専門性を磨くことが求められ
通年での就職活動が一般化するかもしれません
そのため、大学も従来の「ゼネラリスト教育」から
より実践的なスキルを重視したカリキュラムへと
移行する必要が出てくるでしょう
例えば、インターンシップの強化や
実務に直結するプロジェクト型学習の導入が
さらに進む可能性があります




日本の労働市場の流動性は高まるのか?
日本の労働市場は、欧米と比べて
流動性が低いとされています
その主な要因として、「終身雇用」「年功序列」と
いった慣習が根強く残っていることが挙げられます
しかし、ジョブ型採用の普及が進めば
職務に応じた採用が増え
転職市場の活性化につながる可能性があります
特に、専門性の高い職種では
スキルを持つ人材が企業間を自由に
行き来しやすくなるため
より適材適所の働き方が
実現しやすくなるでしょう
結果として、日本の労働市場の
流動性向上につながるかもしれません
まとめ
富士通の新卒一括採用廃止と
ジョブ型採用への移行は
日本の雇用慣行に大きな変革をもたらす
可能性を秘めています
企業の競争力強化につながる一方で
大学生のキャリア観や学び方
そして日本の労働市場全体にも
影響を与えるでしょう
今後、他の企業がどのような対応を取るのか
日本の雇用形態がどのように変化していくのか
引き続き注目していきたいところです



