バツいち刑事の捜査記録ー人質 ５

強盗と人質の奇妙な宴会がはじまっていた。

『横河なんやその下手な歌は飯がまずなる止めとけ』と言ってふきげん

になった。

『兄貴これはサザンのいとしエリーですがな』といって歌っていた

『いとしのメリーか羊の歌か』と言って不機嫌であった。
　
『こら！女、松茸と肉ばっかり食うな！』と言って急におこりだした。

『私初めてですねん、松茸と松阪肉のすき焼き』

『俺も始めてやねんどあほ！』と言ってますます機嫌が悪くなった。

『もういっぺん歌うからマイクかせ』と言って横河からマイクを

取り上げた。

そして柔らを歌いだした『やっぱり古賀メロリーはええの』また自己

満足していた。機嫌がよくなった。単純な男である。

『メロリー違います。メロディーです』と桜井に言われた。

『女、食うてばっかりせんと歌え』

『そしたら、いい日旅たち歌います』

『百恵ちゃんか、ええやんけ』機嫌が良くなっていた。

そして奥村が『もう一度歌います良いですか』

『おばはん　今度はなに歌うねん』

『てんとう虫のサンバ歌います。』と言って歌いだした。

『おばはん　可愛らしい歌ばっかりやないか　やめとけ。岸壁の母か

買い物ブギでも歌えあほ！』また怒り出した。

『啓二お前も食うてばっかリやないか歌え』

『兄弟船歌います』

『兄弟船歌か鳥羽一郎やのええの』また機嫌がよくなった。

『啓二お前うまいのええ声してるやないか』とほめだした。

『おっさん飲んでばっかりやの歌わんかえ』

『私歌知りませんねんうとたことないさかいすいません』

『あほ！なんか歌え　殺すぞ』と言って脅しだした。

『そしたら六甲おろし歌います』

『おっさんタイガースファンか俺もや、おっさんとは気が合うの』

いたって単純な男である

『私タイガースの選手全員のサインボール持ってますねん　ファンクラ

ブに入ってます』少し自慢げに話し出した。

『羨ましいのおっさん。わしも甲子園のうぐいす嬢のサイン入りボール

持ってるんじゃ』訳のわからに自慢しだした。

『兄貴そんなんなにしますねん』横河があきれていった。

『僕タイガースの選手がつかって折れたバットで作った箸もってますね

ん』と言って皆にみせた。『マイ箸です』

『啓二ええもん持ってるのわしにもくれへんか』少しうらやましいようすであった。

『私赤星のサイイン入りバット持ってますねん』自慢のしあいになってきた

『羨ましいのおっさん、わし甲子園の売店のねえちゃんのサイン入り

バット持ってるんじゃ』へんな自慢しだした。

『兄貴そんなしょうむないもんあつめてなにしますねん　あほちゃいますか』

『やかましいほっとけ！』とどなって横河の頭をたたいた。

『僕鳥谷のサイン入りユニホーム持ってますねん』

『私この前選手皆にＴシャツにサインもらいましてん』いよいよ自慢

の試合である

『わし甲子園のマスコットガールのサイン入りユニホーム持ってるんじゃええやろ』しょうむない自慢するのであった。

『兄貴女のサインばっかりですねんな』といって横河が笑ったので

皆笑い出した。『はははは・・・』

『私のサインあげましょか』桜井が笑いながら言うと『私もサイン

します』と奥村も言い出した。またみんな『はははは・・・・』

『やかましい笑うな』またおこりだした。

『武田さんなにやらにぎやかでんななにやってまんねんやろ』

『カラオケ大会やってませ人質の４人もわろてまっせ』

武田が電話した

『連藤何してるはよ人質開放せんかえ』

『武田さん今忙しいよって後にしてくれ、タイガースファンクラブや

武田さんもこっちにこきたらどうや、はははは・・・』大きな声で

笑い出した。

『分からん様になってきた』武田も高木も皆不思議がった。

今日はここまでまだつづく