私の感じたこと

リロケーションを専業とするラビットホームズの岩崎和夫といいます。
私が日々感じたことなどを素直に本音で書き留めます。

火災保険はしっかり掛けていますか?

2005年11月11日 | 危機管理
もしも何かあった時の為に種々の保険があります。
万が一の時の為に、どのような保険があり、自分はどんな保険に入っているか再確認してみませんか?

つい1ヶ月程前に管理物件で火災が発生し、その内容は以前このブログでも報告させていただきました。
かなりの時間がかかり、ここに来てやっと保険会社の対応方法が見え始めてきました。
最終結論まではもう少々時間がかかりそうですが、「保険対応が出来ない」という可能性が非常に高くなっています。

今回のケースでのお浚いです。
出火場所は分譲マンションのベランダ。
その部屋の住人は賃借人で、出火当時は外出しており、遊びに来ていた友人がベランダで煙草を吸い、消したつもりの火がベランダに置いてあった引越後のダンボールに燃え移り、あっという間にベランダと外壁を焦がし、サッシも溶かしてガラスも割れたという火災事故です。

当初はボヤ程度との報告を受けて現場に向かったのですが、着いてみると何台もの消防車と警察車両。
出火原因となった煙草を吸っていた賃借人の友人は警察に連れて行かれ、室内は一面に消防隊が敷いたグリーンのシートが事の重大さを感じさせ、大変な状況でした。
サッシは溶けてガラスは割れ、結構大変な状況でしたがペアガラスのお陰で外側のガラスは割れたものの内側は助かり、結果室内に損害無しといった状態でした。

当然のことながら部屋の所有者は火災保険を掛けています。
賃借人も借家人賠償保険という、大家さんへの賠償の為の保険に加入しています。

当社でも最初は賃借人本人が出火当時の部屋にいなくても、その友人が出火元となり大家に損害を与えたので、当然のことながら借家人賠償保険が適用されると確信していました。
しかし結果はノー。
何故かと言うと前述したように室内の損害が無いために、大家への賠償を担保する借家人賠償保険は適用外となったのです。

出火場所はベランダ。
区分所有法ではベランダは共有部分。
つまりベランダは部屋の所有者の所有物では無く、全体の共有部分なので借家人賠償保険の対象外で、管理組合が掛けている共有部分の為の保険が適用となったのです。
分譲時の施工会社が復旧工事を担当する事になり総額約500万円ほどの見積りが出ました。
しかし復旧工事の際に窓枠ごとサッシを交換する事になるので、室内側のサッシに接している壁紙やフローリングが損傷を受けます。
その費用が約50万円。
これは室内側なので共有部分では無く、管理組合の掛けている保険では担保出来ない事になりました。

それではと言う事で区分所有者が掛けている保険会社に事故報告を出して手続きを進めていましたが、これも雲行きが怪しくなっています。
最終結論は保険会社の現地調査を待たなければならないのですが、保険会社の言い分は「出火が原因で室内に損傷を受けたのではなく、復旧工事の際に損傷を受けるので、工事会社もしくはその工事を発注した管理組合にその担保責任がある」というものでした。

今回はたまたま不運な事に複雑な要素が絡み、先行きが不透明になりました。
振り返ってみると、もしも出火場所が室内であれば賃借人が掛けている借家人賠償保険で担保。
ベランダ部分は管理組合の保険で担保と言う事で無事解決していた話しです。

話を最初に戻せば、「火を出した本人が全てを負担すれば丸く収まる話し」ですが、それではもしもの時の為に掛けた保険は何?と言う事です。
状況状況で今回のようにせっかく掛けた保険が適用外となる可能性もあるので、あらゆるケースを想定して危機管理をする必要がありそうです。

今日は異常に長いブログとなりましたが、最終結論はどんな時にも役立ちそうな「個人賠償保険」に入っておく必要がありそうだということです。
出火原因となった人は個人賠償保険には入っていませんでした。
JCBやVISAなどのクレジットカードには個人賠償保険が付いていることもありますので、これらのカードを所持していれば、もしかしたら保険で担保出来たかもしれません。

危機管理はありとあらゆる場面を想定して準備しなければ、せっかく掛けた保険も「保険会社の為の保険」に終わってしまう可能性大ということが良く分かりました。



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