私の感じたこと

リロケーションを専業とするラビットホームズの岩崎和夫といいます。
私が日々感じたことなどを素直に本音で書き留めます。

1992年のDalla Valle Maya

2025年01月06日 | ワインの話し

あけましておめでとうございます。

偶にしか投稿しなくなってしまいましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて今日は「Maya」と言う名のナパ・バレーのカルトワインを今年の正月に開けたという話しです。
このワインは超一流のワイン評論家ロバート・パーカーが1995年に100点満点を付けた92年のMayaです。

92年のMayaは450本しか作られなかった超が付くカルトワイン。
なぜ450本しか生産されないのかは、その成り立ちを調べて行くと納得できます。

暫くお付き合いください。

Dalla Valle Maya

このワイナリーは、大手ダイビング用品メーカー、スキューバプロを創設したイタリア出身のグスタフ・ダラ・ヴァレと、芦屋出身の日本人妻のナオコさんが1982年にナパに移り住んでから始まります。
彼等はレストランとスパを設立するための土地を探してのですが、そこで出会ったのがオークビルの土地です。
小さな家と葡萄畑からなるその美しい土地を見てそこにとどまることを決め、当初の予定であったレストランスパでは無く、ワイナリーを造ることにしたのです。

スキューバダイビングメーカーとワイナリー経営ではかんけいが無いように思えますが、グスタフの実家はイタリアで200年もの間、葡萄栽培事業を行っている一族でした。

彼等はナパに落ち着くとすぐカベルネソービニオンとカベルネフラン、そして少量のサンジョベーゼの木を植えました。
そして土の影響なのでしょう。
それらの畑の中でも特に高品質な葡萄が出来る一画を、彼等の愛娘にちなんで「マヤ」と名付けました。
元々はワインの名前では無く畑の名称でした。

この「マヤ」から採れた葡萄は、カリスマワインメーカーのハイジ・ピーターソン・バレットの手によって全ての人々を魅了するワインになっていきました。
そこから伝説の1992年ものの「Maya」が完成したのでした。

私はこの過去の成り立ちを知らなかったけれど、自分の娘と同じ名前のワインが有ることを2006年に楽天で知り、120,760円という高価格だが、正規輸入されたものだったので、娘が大人になったときのためにと思わず買ってしまいました。

それからと言うもの、ネットで見つけるたびに安くはないけれど買い続け、娘の結婚式の為に何とかしてひとテーブルに一本づつ出そうと思って数を集めました。
しかし92年ものは世界にたった450本しか出回っておらず、年度が違うものしかし集められませんでした。

そんな訳で、正規輸入ならまだしも、その前に誰が所有し、どうやって保存されていたのか?開けてみるまで品質が解らないワイン特性のため、結局失礼があってはいけないと、結婚式で出すのは諦めました。

そんな訳で年度の違うMayaが何本も溜まってしまい、たまに開けて呑んではいたけれど、この年末年始で手元に残っていた3本を開けることにしました。
しかし、セラーで温度管理しながら保管していたのでまさかとは思ったけれど、手元にあった3本の内2本はコルクが死んでおり、開けたは良いがコルクが腐ってボロボロ。
高額なワインを勿体ないとは思いつつ、飲めたものでは無いために2本はそのまま捨てるハメになりました。

オークションで落札したものは、正規な輸入業者を経由したものでは無いために保存状態が悪いのか?転売目的で転がされた?ものだったのかも知れません。
大損したけれど、カルトワインには「素人が手を出すものでは無い」とつくづく思い知らされた次第です。

そして最後に楽しみに残しておいた業者を経由して輸入された「1992年のMaya」を1月2日に開けて呑みました。
デキャンタに移して一晩寝かせた「Maya」はあまりの美味しさに驚きました。

ヴィンテージ物のワインは空気とシェアさせないと、開けてすぐに飲んでも眠れる森の美女ではないが、本来の風味や美味しさは顔を出さず、寝ぼけ眼のままの寝ぼけ顔です。
12万円と言う価格と味が釣り合うかどうかは私ごときが論ずる話しでは無いけれど、オーパスワンのような芳醇な香りとまろやかさに強さを足した感じ?
2007年に飲んだ同じく92年もののMayaも同じ感じで、開けてすぐは「やってしまった!外した!」と思ったけれど、グラスに注いで5分・10分と経つ度に味が変化するのには驚かされました。
暫く空気とシェアすると、口に含んだ瞬間、いい香りが鼻に抜け、なんとも言えない旨味を感じる美味しさが顔を出すのです。

Dalla Valle Maya

さすがパーカーが100点満点を付けただけのことはありました。
買い集めたMaya最後の一本がこれで良かった。
数が無いだけにもう二度と手には入らないと思うけど、金額は別として最高のワインでした。


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