私の感じたこと

リロケーションを専業とするラビットホームズの岩崎和夫といいます。
私が日々感じたことなどを素直に本音で書き留めます。

強制執行の是非

2008年07月28日 | 本音の話し
楽しい話しでは無くて恐縮ですが、つい先日強制執行の立会いに行ってきました。

昨年秋口から家賃が滞り、数回に及ぶ話し合いを持ったのですが、残念ながら家賃を払う訳でも無く、立ち退く訳でも無く、解決の目処が立たないために、仕方なく司法の力を借りることになりました。

これは我が社にとって初めての経験です。

当社設立から22年、今までは普通より厳しい入居審査やその時々の話し合いで危機を乗り越えてきたのですが、時代の変化でしょうか?そうは思いたくないですが、我が社の対応が悪かったのでしょうか?

家賃が滞ってから2ヶ月、「このまま状況が改善されない場合は、話し合いの場が私から弁護士に代わります」と伝え、更に1ヶ月様子を見ても、本人からも保証人からも何の反応も無いため、年が変わった1月に弁護士に家賃滞納による教師執行の依頼をしました。

ここから先は本音の話しですが、司法の動きがあまりにも遅いのにがっかりしました。

消費者保護の観点や、住宅難だった戦後の状況がそのまま残っているのでしょうが、あまりにも消費者を過保護にするのは如何なものかと思う次第です。

特に今回の大家さんは当社の専門分野「リロケーション」の大家さん。
沢山物件を持っている地主さんではありません。

購入時の住宅ローンを抱え、会社の命令で転勤、やむなく自宅を転勤期間中のみ貸しているリロケーションオーナーは、所有物件の住宅ローンと転勤先住まいの家賃を二重に負担しています。

自宅を貸すことによって住宅ローン返済を賄っているリロケーションオーナーなので、家賃が滞ると一気に厳しい状態に陥ります。

今回はまさにその典型的な例となってしまいました。

そんな訳で一刻も早い解決を弁護士に依頼したのですが、強制執行が行われたのは家賃が滞ってから数えると一年近い時間が掛かってしまいました。

家賃が滞ったからと言ってすぐに司法の力を借りる訳にも行かず、ある一定の期間経過後となり、そこからスタートすると強制執行が行われるまで半年はゆうに掛かってしまいます。

強制執行当日、執行開始の一時間ほど前に現地に着くと、賃借人が小学生の子供も使って家族総出で荷物を大事そうに運び出していました。

何で今まで何も行動しなかったんだろう?

小さな子供には家に住めなくなった事をなんて説明したんだろう?などと余計な詮索をしてしまいます。

午前10時、裁判所の執行官・担当弁護士・荷物搬出のための約15名の人工により、強制執行が開始されました。

強制執行は日常茶飯事に行われる事ではなく、非常に希なケースなので今回は司法修習生も数名実地研修で来ています。

総勢30名近い人が家を取り囲んでいると、当然のことながら近所の人達が「何事か?」と思って出てきます。

口々に言うことは「小さな子供もいるのに可愛そうに!」事情を知らないから仕方ないのですが、執行している者は悪者で、執行されている者は被害者と言った雰囲気です。

しかし、現実問題は家賃を払って貰えず、ローン返済に苦慮している大家が被害者で、事情はともあれ、家賃を払わず住んでいる賃借人が本当のところは加害者というのが実態なのです。


最近世の中の仕組みが何か変だと思いませんか?

守るべきものと戒めなければならないものの基準がちょっとおかしくなっている気がします。

こういった矛盾を感じているのはおそらく私だけではないでしょう!

欧米での賃貸借契約の形態は定期借家が主流、家賃滞納は住んでいる資格が無く、それでも居座っていると警察が介入してきます。

日本は民事不介入、警察は家賃滞納に対しては対応しませんが、借地借家法を悪用する賃借人を排除しないと貸し手・借り手の構図が正しく機能しなくなります。

戦後の住宅難だった時代とは住宅事情が変わっているので、そろそろ借地借家法の定義そのものから仕組みを変えるべきでは無いかと思います。
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