私の感じたこと

リロケーションを専業とするラビットホームズの岩崎和夫といいます。
私が日々感じたことなどを素直に本音で書き留めます。

マンハッタンの不動産流通

2006年01月23日 | 海外不動産事情レポート(NY編)
アメリカは各州によって法律が違う為、不動産免許も各州で独立しておりニューヨークの不動産免許は他の州では使えません。

不動産協会も各州にあり、インターネット先進国だけにMLS(Multiple Listing Service)という仕組みもかなり進化しています。
先日レポートしたニュージャージー州MLSも最新のシステムを使用し会員の為、顧客のために不動産情報を提供しています。

日本にはレインズという情報流通の仕組みがありますが、これは同業者間のみの物件情報システムで一般ユーザーは見られません。
ニュージャージーのMLSは個人情報(売主の住所氏名など)にフィルターがかかっていますが、一般ユーザーもアクセスしてプロの情報と同じ物が見られます。
協会自体も各州にひとつしかなく、MLSの会員は州から不動産免許を貰ったブローカーとセールス・パーソンです。
厳格なルールも整備されており、おとり物件が存在しない仕組みが出来上がっているから一般公開が出来ているのでしょう。
日本はまだまだその辺のルール整備が未熟なようです。

不動産の情報流通システムは、良い物件をより早く、そして安全正確にユーザーに伝えるのが役目です。
早期決着は売主にとっても有意義な事ですので、すばやい情報配信は不動産流通に欠かせない要素です。

しかし、マンハッタンは違いました。
MLSが存在しなかったのです。
実は数年前にMLSが出来たそうですが、上手く機能しなかったために自然消滅してしまったようです。

何故?

いい物件を沢山もっている会社(大手不動産グループ)は、MLSが機能することで物件収集能力の無い弱小不動産会社が自分たちの物件を食い荒らすのが気に入らなかったようです。
大手不動産グループの反対が強く、機能しなかったと地元の方に聞きました。
力の強い物が支配する昔ながらの原則がマンハッタンにはまだ残っていました。

良い物件ほど情報公開をせず、自分の顧客だけに紹介します。
他の会社を介在させません。
このやり方をポケットの中に情報を隠し持つ事から「Pocket Listing」と呼んでいました。



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1 コメント

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『ニューヨーク不動産事情視察』夜話会 (yuki)
2006-01-25 10:29:06
昨日はどうも有難うございました!

ブログではコメントを頂いたこともあり、お会いできてうれしかったです

ニューヨーク不動産事情から日本の不動産(業界)事情まで伺えて、大変勉強になりました!

またお会いできる日を、楽しみにしております。

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