ある外資系のグローバルな大企業の代理人という辯護士から今日内容証明郵便が届きました。
発信場所は高等裁判所内の郵便局からです。
この大企業とは3年ほど前に借主代理人(日本の大手不動産会社)を通じて賃貸借契約を取り交わした相手方です。
定期借家の3年契約、解約時には敷金償却1ヶ月となっています。
住んでいたのは外国人のご家族でした。
昨年11月に退去したのですが、その際には私と入居者の奥様が室内チェックの立会いを行なっています。
やんちゃ盛りの小学生ぐらいの男の子がいたので、壁にはお絵かき・カーペットは絵の具のようなカラフルな汚れがいっぱい、寝室は全面が結露でクロスが変色。
といった具合で決して綺麗な状態とは言えませんでした。
この入居者の奥様はあまり日本語がお上手ではないのですが汚れについて説明し、「この汚れの部分は借主(入居者)負担ですので補修費用をいただきます。」
「金額は工事会社の見積りが出次第ご報告いたします。」と伝えて後日見積書を作成。
工事総額の中から国土交通省のガイドラインに準拠して、入居者の責任で破損・汚損した個所と自然損耗や減価償却分などの貸主負担分とに分け、工事総額の中から入居者負担分を抽出して貸主代理人の某大手不動産会社へ報告書(退居立会い時の写真添付)と敷金精算書を送付。
という極々普通の手順で進んでいきました。
多くの場合貸主からして見れば「落書きされなければ内装工事をする必要が無く、入居者の責任で汚されたのに何で自分の負担額のほうが高額なのか?」と文句を言ってきます。
今回のケースでも「入居者の責任で汚した訳だからしっかり請求してください」とかなり強い口調で言われています。
その気持ちはごもっともです。
弊社で扱うのはリロケーション物件ですので、貸主は帰任後に自分がそこに住みます。
だから普通の賃貸物件とは思い入れが違うのです。
しかし、東京ルールの条例施行や国土交通省のガイドラインの浸透などによって「入居者の責任で汚損毀損した個所以外は貸主負担」が現在の主流であることを説明。
無理やり推し進めると小額訴訟制度を使って敷金返還訴訟を起こされる危険もあることなどを説明し、それを納得していただくという作業も実は結構大変なのです。
さて本題に入りますが、今回のケースでは汚損個所が一部屋だけではなかったために敷金の額を数万程度ですが超えてしまい追加請求が出ています。
汚したのは事実なので「敷金が帰ってこないのは仕方が無いと諦めるが、追加支払いは納得できない」ということで当初は押し問答があり、貸主代理人の某大手不動産会社がしぶしぶ現地を見に来たのがなんと明け渡しから1ヶ月半も経過した時点でした。
室内の汚れを確認したうえで担当者曰く「追加請求分を減額してくれませんか?」ということで、致し方なく貸主に相談。
貸主もしぶしぶ多少の減額に応じたのですが一向に支払ってこない。
この契約は解約時に敷金から1ヶ月分を償却し残りを返却するという内容だったのですが、今度は「償却が納得できないし、償却には法的根拠が無いので償却分は当然に原状回復費用に充当されるべきである」と言って来ました。
敷金をはみ出た補修費用を追加請求するという作業は大変なものがあります。
訴訟を起こせば数万円の請求よりも訴訟費用のほうが高くつくことから、最終的には貸主とも相談して追加請求分は諦めて敷金相殺のみで決着をつけることになり、代理人宛に「不服がある場合は本書到達後3日以内に返答してください」と内容証明郵便にてその旨を通告。
余裕を見て10日ほど待ったのですが何の連絡も無い為、了承したものとして3ヶ月も待たせた工事業者に施工のゴーサインを出したばかりでした。
そこへ今日の辯護士からの内容証明郵便です。
法律の名のもとに脅しをかけてきました。
その文面の中でびっくりしたのが「本件の原状回復については本来貸主負担であるので、償却負担は認められない」というものです。
借主(入居者)の故意・過失については借主負担と、国土交通省のガイドラインにも明記されていますし、判例でも入居者の故意・過失による損傷は入居者負担は常識です。
その先が今日のタイトル「辯護士は正義の味方?」になるのですが、1ヶ月分の補修費負担(償却費を充当)は認めるので、敷金2ヶ月分のうち1ヶ月は1週間以内に返却せよ」、返却なき場合は「敷金全額の2ヶ月分について返却を求める訴訟を起こす」というものです。
弊社も貸主に対し黙っている訳には行きませんのでその旨報告しましたが、「辯護士の名前で訴訟を起こすぞ」と言われたら普通の人はびっくりして従ってしまうでしょう。
内容証明郵便の発送場所は高等裁判所内の郵便局です。
普段見慣れない内容証明郵便にただでさえ気が動転し、「高等裁判所内」の文字に裁判所から送られたものと錯覚するかもしれません。
それが狙いで高裁内の郵便局から送るのかもしれません。
辯護士は社会的にも重責にあるわけですから、「入居者の故意・過失までも貸主が負担せよ。さもなくば訴訟を起こす。」等と辯護士の立場を使って恫喝とも思える圧力をかけるのはどうかと思います。
最近では辯護士がタレントもどきのようなことまでやって、面白おかしく「訴えてやる」などというテレビ番組も見受けますが、これで誰でも彼でも事あれば「すぐに訴えてやる」となったのでは大変です。
あまりにもアメリカ的な訴訟社会になるのはちょっと考えもんだな~とつくづく思います。
世の中の仕組みが変わり、昔と違って現代では大家さんも大変です。
発信場所は高等裁判所内の郵便局からです。
この大企業とは3年ほど前に借主代理人(日本の大手不動産会社)を通じて賃貸借契約を取り交わした相手方です。
定期借家の3年契約、解約時には敷金償却1ヶ月となっています。
住んでいたのは外国人のご家族でした。
昨年11月に退去したのですが、その際には私と入居者の奥様が室内チェックの立会いを行なっています。
やんちゃ盛りの小学生ぐらいの男の子がいたので、壁にはお絵かき・カーペットは絵の具のようなカラフルな汚れがいっぱい、寝室は全面が結露でクロスが変色。
といった具合で決して綺麗な状態とは言えませんでした。
この入居者の奥様はあまり日本語がお上手ではないのですが汚れについて説明し、「この汚れの部分は借主(入居者)負担ですので補修費用をいただきます。」
「金額は工事会社の見積りが出次第ご報告いたします。」と伝えて後日見積書を作成。
工事総額の中から国土交通省のガイドラインに準拠して、入居者の責任で破損・汚損した個所と自然損耗や減価償却分などの貸主負担分とに分け、工事総額の中から入居者負担分を抽出して貸主代理人の某大手不動産会社へ報告書(退居立会い時の写真添付)と敷金精算書を送付。
という極々普通の手順で進んでいきました。
多くの場合貸主からして見れば「落書きされなければ内装工事をする必要が無く、入居者の責任で汚されたのに何で自分の負担額のほうが高額なのか?」と文句を言ってきます。
今回のケースでも「入居者の責任で汚した訳だからしっかり請求してください」とかなり強い口調で言われています。
その気持ちはごもっともです。
弊社で扱うのはリロケーション物件ですので、貸主は帰任後に自分がそこに住みます。
だから普通の賃貸物件とは思い入れが違うのです。
しかし、東京ルールの条例施行や国土交通省のガイドラインの浸透などによって「入居者の責任で汚損毀損した個所以外は貸主負担」が現在の主流であることを説明。
無理やり推し進めると小額訴訟制度を使って敷金返還訴訟を起こされる危険もあることなどを説明し、それを納得していただくという作業も実は結構大変なのです。
さて本題に入りますが、今回のケースでは汚損個所が一部屋だけではなかったために敷金の額を数万程度ですが超えてしまい追加請求が出ています。
汚したのは事実なので「敷金が帰ってこないのは仕方が無いと諦めるが、追加支払いは納得できない」ということで当初は押し問答があり、貸主代理人の某大手不動産会社がしぶしぶ現地を見に来たのがなんと明け渡しから1ヶ月半も経過した時点でした。
室内の汚れを確認したうえで担当者曰く「追加請求分を減額してくれませんか?」ということで、致し方なく貸主に相談。
貸主もしぶしぶ多少の減額に応じたのですが一向に支払ってこない。
この契約は解約時に敷金から1ヶ月分を償却し残りを返却するという内容だったのですが、今度は「償却が納得できないし、償却には法的根拠が無いので償却分は当然に原状回復費用に充当されるべきである」と言って来ました。
敷金をはみ出た補修費用を追加請求するという作業は大変なものがあります。
訴訟を起こせば数万円の請求よりも訴訟費用のほうが高くつくことから、最終的には貸主とも相談して追加請求分は諦めて敷金相殺のみで決着をつけることになり、代理人宛に「不服がある場合は本書到達後3日以内に返答してください」と内容証明郵便にてその旨を通告。
余裕を見て10日ほど待ったのですが何の連絡も無い為、了承したものとして3ヶ月も待たせた工事業者に施工のゴーサインを出したばかりでした。
そこへ今日の辯護士からの内容証明郵便です。
法律の名のもとに脅しをかけてきました。
その文面の中でびっくりしたのが「本件の原状回復については本来貸主負担であるので、償却負担は認められない」というものです。
借主(入居者)の故意・過失については借主負担と、国土交通省のガイドラインにも明記されていますし、判例でも入居者の故意・過失による損傷は入居者負担は常識です。
その先が今日のタイトル「辯護士は正義の味方?」になるのですが、1ヶ月分の補修費負担(償却費を充当)は認めるので、敷金2ヶ月分のうち1ヶ月は1週間以内に返却せよ」、返却なき場合は「敷金全額の2ヶ月分について返却を求める訴訟を起こす」というものです。
弊社も貸主に対し黙っている訳には行きませんのでその旨報告しましたが、「辯護士の名前で訴訟を起こすぞ」と言われたら普通の人はびっくりして従ってしまうでしょう。
内容証明郵便の発送場所は高等裁判所内の郵便局です。
普段見慣れない内容証明郵便にただでさえ気が動転し、「高等裁判所内」の文字に裁判所から送られたものと錯覚するかもしれません。
それが狙いで高裁内の郵便局から送るのかもしれません。
辯護士は社会的にも重責にあるわけですから、「入居者の故意・過失までも貸主が負担せよ。さもなくば訴訟を起こす。」等と辯護士の立場を使って恫喝とも思える圧力をかけるのはどうかと思います。
最近では辯護士がタレントもどきのようなことまでやって、面白おかしく「訴えてやる」などというテレビ番組も見受けますが、これで誰でも彼でも事あれば「すぐに訴えてやる」となったのでは大変です。
あまりにもアメリカ的な訴訟社会になるのはちょっと考えもんだな~とつくづく思います。
世の中の仕組みが変わり、昔と違って現代では大家さんも大変です。
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