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歌舞劇・『田園に死す』―幻想的な“夢”の世界を鑑賞!

2006年10月04日 23時10分59秒 | .。・.。Feel。.。・
演劇・短歌・俳句・詩・評論などの様々なジャンルでを活躍し、日本国内から世界中に活躍の場を広げながら、
1983年に47歳の若さでこの世を去った鬼才・寺山修司さんの作品を歌劇にして表現した作品です。
寺山作品といえば、一般的に…主演を武田真治さんや、藤原竜也さん(初舞台)で上演された「身毒丸」が有名ですね。

この作品は、映画制作もされていています。
寺山少年の夢の中―幻想的に繰り広げられる世界―、それが今回の歌舞劇「田園に死す」。

歌舞劇『田園に死す』
<キャスト>安寿ミラ/中村蒼/中国文化部歌劇舞劇院/高塚恵理子/横山道子/横山愛/原章子
 *pnish*:佐野大樹/森山栄治/鷲尾 昇/土屋裕一
<スタッフ>作/寺山修司 台本・演出/栗田芳宏 振付/孟 嘉(モン ジャ) 音楽/宮川彬良
寺山の夢に招待される少年達―。
彼らの元に寺山修司からの手紙が届くそして、幻想的な夢の中へ…。
寺山少年(中村蒼)の夢の中に、火を吐き、宙を舞い、百の顔をもち、
変幻自在に肉体を変化させる中国からの不思議なサーカス団が現れる。
その夢の中心には、巫女であり、母(安寿ミラ)でもある夢の中の女王が、舞・歌い少年に語りかける―。
幻想的な世界。「田園の生まれ、田園に死す」一瞬の幻…

キーワードは寺山修司さんの歌集「田園に死す」。同タイトルの映画も彼の代表作の一つになっていますね。
コレは、寺山修司さんが自分の少年時代と故郷青森をテーマとした歌集のようで、冒頭の少年達への招待状が歌集の“詩”。
すべての作品のエッセンスになっているのでは?と言われるほどの作品らしく、彼が生涯を通して表現したかった『テーマ』が集約されているのかもしれません。

幻想的な部分を、中国文化部歌劇舞劇院が演じます。“夢”“幻想”の世界の表現、コレは、良かったです。
ただ、話の内容はある程度は理解していかないと、抽象的な表現のところもあって“理解”出来ないままになってしまうかもしれません。

「血の起源」「身毒丸」を発展させた形として、上演されているこの歌舞劇…
「・・・母さん!僕をもう一度妊娠してください!…」
寺山さんが終生追い求めた“母と子の愛”を凝縮した夢物語の最後の台詞がこれでした。
これは、名台詞ですよね。
中村蒼さんは、JUNONスーパーボーイの出身でいきなりの主演。
無垢な“白のイメージ”は良かったのですが、台詞回しがイマひとつ残念…
(安寿ミラさんとの絡みの台詞も、感情が伝わってこなくて…。難しい芝居だから仕方無いかもしれませんね。)
もう少し、鬼気迫る(母に縋り付くような)感じだと観終わった充実感があるんだけどなぁ。
まぁ、私が観劇したのは初日だったので…コレからに期待です。