高校生になったジョンとリチャード。
2人がコンビニでバイト中のところにピストルを持った強盗がやってきた。
「おい!さっさと有り金を全部出しやがれ!」
ピストルを押し付ける強盗に恐怖のあまりヘナヘナと腰砕けるリチャード。
一方、ジョンは身動き1つせず、静かにボソッと呟いた。
「.....そいつはニセモノだ」
ピストルのことがバレた強盗は慌てて店を出て行き、
結局、何も取られずに済んだのだった。
事件を知った店長が急いで店に駆けつけ、ジョンを褒め称えた。
「凄いじゃないかジョン!ピストルを見分けることができたのも凄いが、
何よりもずっと落ち着いた態度でいられたことが感心だ。
いや?、君がうちの店員で本当によかったよ!」
「ありがとうございます、店長」
「ところで、本当のところやっぱり君も怖かったんじゃなかったのかね?
何せモデルガンとはいえ強盗に入られた訳だし」
「いえ、何も怖くありませんでした」
「本当に?」
「ええ、本当です」
ジョンは言い切った。
仕事が終わってリチャードの部屋でくつろぐジョンとリチャードの2人。
「ジョン、確かにお前は大した奴だが、
あの時はカッコつけずにホントのこと言ってたら良かったんじゃねえか?」
「何の話だよ」
「さっきの店長の質問さ。
『ホントは怖くて怖くて小便ちびりそうでしたよ。
もうこの店で働いていく自信もなくなりました』ってなことを言ってりゃあさ、
ひょっとしたら同情されて、見舞手当ぐらいポンと出してくれたかもしれないぜ」
「まさか。だって実際怖くなかったし。
それにホントのことなんて口が裂けても言えねえよ」
「何でだよ?」
「じゃあリチャード、居眠りしててジャスティン・ビーバーの歌を口ずさみながら
強盗の男に似たゴッツいのをモノにしてる夢を見ていました?なんて言えるか?」