
安倍晋三首相は14日夜、都内のホテルで維新の党最高顧問の橋下徹大阪市長と約3時間にわたり会談した。首相は安全保障関連法案の成立に向けた維新の協力を要請した。橋下氏は法案への賛否は明言しなかったが、審議引き延ばしなどの日程闘争は行わない考えを示した。
“政界引退”後で初、ツイッターも再開
会談は平成25年12月以来で、橋下氏が5月の住民投票で「大阪都構想」が否決され、政界引退を表明した後は初めて。菅義偉(すが・よしひで)官房長官、維新顧問の松井一郎大阪府知事も同席した。
橋下氏は会談で、都構想に一定の理解を示してきた首相らに謝意を伝えた。首相とは憲法改正の必要性についても認識が一致。維新が早期採決に賛同している労働者派遣法改正案の扱いなど国会運営での協力についても意見交換した。
橋下氏は会談後、政界引退表明後はほとんど利用していなかったツイッターを本格的に再開した。「内閣における憲法の有権解釈者は内閣総理大臣。憲法解釈が時代とともに変遷するのは当然のこと」と書き込み、安保関連法案を合憲とする政府に理解を示した。
橋下氏は民主党に関して「維新の党は民主党とは一線を画すべき。自民党と国の在り方について激しく論戦できる政党を目指すべき」と投稿した。一方、民主党の高木義明国対委員長は15日、記者団に「国会ではできるだけ野党が力を合わせることが充実した審議につながる。(維新に)その姿勢を求めていく」と述べた。
橋下、松井両氏は14日、首相らとの会談に先立ち、維新の松野頼久代表、柿沢未途幹事長とも会談した。出席者によると、橋下氏は、維新が与党と歩調をあわせる現在の国会運営について異論を挟まなかったという。
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菅官房長官は15日午前の記者会見で、安倍首相が14日夜、橋下大阪市長らと東京都内で会談したことに関し「(「大阪都構想」の)住民投票は話題になった。いろんな話はしたが、対談内容はコメントを控える」と述べ、具体的な言及は避けた。
会談を行った経緯については「政界を引退すると言った橋下氏があいさつに来たいというので食事でもという話になった」と説明。首相と橋下氏の会談が今後の国会審議に与える影響については「ない」と語った。
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