~Words~

心に宿る言葉たち

『洗い屋』

2006-01-28 | essay

 

私の母の父は大工だった。

旦那の父も大工をしている。

何故か、いつも周りには職人さんの存在がある。

私の実家は築80年以上の、族に言う『古民家』

『古民家』といっても、実家は飲食業を営んでいた為

普通の家とはちょっと違って、幼い頃は流れの職人さんたちが

ガタのきた家の中を、手直しに来ていた・・

そんな光景を私はよく覚えている。

実は、この家は道路拡張事業に引っかかっている為

数年後には取り壊される。

住んでいる頃は綺麗な家に住みたいなどと考えていたが

いざ取り壊されるとなると異常にいとおしく感じる・・・

そんなこともあってか・・最近やたらと『古民家』が気になる。

気付けば、知らずとそんな雑誌を好んで読んでいる。。。

『洗い屋』という生き方・・という記事を見つけた。。

 「洗い屋」というのは昔ながらの家並、寺院などの柱、建具。
 その長年溜まった汚れを落とす職人さんのことで、
 江戸時代から続く伝統の技だそうである   

   

                         今なお、多くの町家が残る京都でさえも、
                     もう数えるほどしか職人さんは残ってないという。          

百年間の汚れた古材を甦られる伝統の技。 

   『ただ漂白するのは簡単だけど、素材の持ち味を
    活かす為に技術はもとより素材に対する心が大切に
       なってくる』
のだと・・・“洗いの世界”を極める魅力的な
                                                  職人さんの言葉があった。

                           

  現代は、汚れたものは排除すればいいと・・

ただ、それだけを目的として動いている傾向が強い

物よりも、人間側が・・・

「決して汚れを取るのだけが洗いではない」

現場で実践してきた職人さんの

一言一言が胸を打つ

古材に再び命を吹き込む

そこには、現代人が忘れてる何かがあるようで仕方がない・・・