Four Season Colors

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読書のよもやま(2024.01.08)

2024-01-08 | 雑文
「2000年の桜庭和志」柳澤健(文春文庫)

タイトルそのままに、桜庭和志のプロレスか
ら総合格闘技への足跡を辿ったもの。

著者は、多くの格闘系のノンフィクションを
作品にしており、西暦+主題がシリーズとも
いえる。

自分は、すべてを読んでいるわけではないが、
「1985年のクラッシュ・ギャルズ」がと
ても印象に残っている。

それもあり、興味のある主題を見た時は購入
しており、今回もそのパターンで購入してみ
た。

基本的には好意的なスタンスであるが、しっ
かりとフラットも保っており、桜庭和志とい
う人物をざっくりと追うことができる。

しかし、桜庭和志を軸としてはいるものの、
本書が追っている、テーマとしているのは、
「総合格闘技」について。

桜庭和志を軸としているのだから、総合格闘
技についてを含むのは当然であるが、おそら
くファーストは、総合格闘技なのだろう。

ただ、自分が読んだものに限れば、クラッシ
ュ・ギャルズは女子プロレス、棚橋弘至と中
邑真輔は新日本プロレス。

それぞれ主とするテーマを追うために、必然
的に人物が選ばれているという印象がある。

本作もそうであるから、自分はいつも通りだ
なと思うだけだが、純粋に桜庭和志の本と期
待する場合は注意が必要かもしれない。

とはいえ、例えそうであっても、総合格闘技
について掘り下げる部分がつまらないという
ことはない。

途中、桜庭和志のノンフィクションとすれば、
だいぶ横道に逸れるから、そのあたりで正直
集中力は切れる。

自分は知識がないからまだしも、基礎的な知
識のある人は、桜庭どこいった状態になるこ
とも想定される。

それを差し引いても、桜庭和志と総合格闘技
の本として十分面白いが、やはり人は選ぶの
だろう。

純粋に、桜庭和志のヒストリーとして求める
方は、お気をつけて。