月に一度は、映画館へ。2022年12月は、
「Dr.コトー診療所」(日本)。
今年最後の12月は、ハリウッド系で観たい
ものがあれば次点だったが、かといってそれ
ほど消極的でもないという選択。
本作は、山田貴敏による同タイトルの漫画を
原作とする、離島における医療をテーマにし
た医療人情モノ。
年代的にも、世代的にも、テレビ華やかなり
し頃、まだ十分にテレビドラマを見ていた自
分が好きだった連続ドラマの続編映画。
なんとあれから16年ぶりらしく、驚愕はし
ないけれど、ちょっと感慨深く感じるところ
もあり。
最近の流れとして、続編物の間隔が長くなっ
てしまい、人間が生物であることによるマイ
ナスが目立っている。
ノスタルジックから続編やリメイクをするに
おいては、もはや救いようもないところがあ
るが、本作はやや異なる。
連続ドラマは、時間の制限などから原作を変
えているところもあるが、当時にしては珍し
く原作へのリスペクトを感じるものだった。
のであるが、原作の漫画は、2010年から
長期の休載状態が続いている。
これは完全に、自分の勝手な妄想(というか
願望)なのであるが、関係者はおそらく、限
界まで原作の再開を待ったのではないか。
しかし、ドラマが生き物である生身の人間に
よるものである限り、文字と絵で構成される
原作を待ち続けることはできない。
つまりタイミングとして、待つことができる
最大の限界が訪れた作品ともいえる。
思えば2022年も、ツキイチ映画館で続編
を観ることもあり、明らかに制作すべき旬を
過ぎたと言わざるを得ない作品もあった。
これが「ガリレオ」か「トップガン」のどち
らだったとなれば、ギリギリでトップガンだ
ったように思う。
ただし、それは不幸であり幸せでもあること
になったが、よるべき原作がないということ
に起因している。
幸せは、キャストの年齢に合わせてストーリ
ーを組み立てることができたこと。
不幸は、原作の不存在により、作品をしっか
り終わらせることができなかったこと。
結局は、なんだか連続ドラマのただの続編と
なってしまっているが、最終作であろうこと
はほぼ間違いがない。
某アニメのように、キャストを変えることで
もすれば別であるが、ガワを変えるのは、声
を変えることと同義ではない。
さすがに当時のドラマも原作も知らない人に
はおススメできないが、知っている人は観て
も悪くはない、というくらい。