月に一度は、映画館へ。2022年9月は、
「沈黙のパレード」(日本)。
本作は、東野圭吾のミステリー小説「ガリレ
オ」シリーズを原作とする、映画化作品の3
作目。
特にシリーズのファンということはなく、映
画も予告編ではじめて知ったが、映画1作目
が面白かった記憶からチョイス。
14年前の1作目とは異なり、9年前の2作
目はほぼ覚えておらず、原作も全く読んだこ
とがないので、ある意味無敵状態で鑑賞。
大学教授が警察に協力する殺人事件解決系だ
が、今作は関連する登場人物が多い。
その多めの登場人物の掘り下げ、描き方が中
途半端で魅力も薄く、感情移入がしにくいが、
2時間では仕方がないのか。
ストーリーは起承転結の起と転がよろしくな
く、起については後ほどとして、転は間延び
感が強く、ふと現実に戻ってしまうくらい。
おかしいだろう、という所は理由があっての
演出であることが結末で分かるが、それでも
トータルの演出はもっと頑張れたのでは。
ひたすら淡々と進むストーリーに中心となる
核がなく、人物の魅力も薄いので印象に残る
シーンもない。
そしてなりより大問題なのは「起」である。
被害者となる人物はお歌がお上手な設定とし
て描かれるが、この映画は違和感全開の口パ
クの歌唱シーンではじまる。
さて今からこの世界に入り込むという冒頭で、
完全にフィクションにおけるリアリティを失
わせる演出はとてつもない。
ミステリー系は、謎への過程で評価されるべ
きという人もいるだろう。
しかし、2時間の鑑賞を終えて自分の記憶に
残っているのは、なんとこの口パクのシーン
だけなのである。
口パクがあっても良作なのは全然あるし、口
パクを絶対許さないなんていうつもりはない。
それでも原作準拠かどうかは知らないが、工
夫の工の字もないものをいきなり見せつけら
れて集中しろというのは無理な話。
よほどのシリーズファンでなければおススメ
はしないが、それでも観るならば開始10分
後くらいから観ることをおススメ。