Four Season Colors

現代詩とスポーツ、エンタメ、時事など雑文を掲載
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はれあがるのは

2022-04-28 | 
おうさまのめいで

しきぼうふるえば

こうしんのおわり

みかけはへいおん

あらしがさかまき

あなたのためだと

はげしくむちうち

なみだながしても

はれあがるそらは

おしろのうえだけ

漫画のあれこれ(2022.04.25)

2022-04-25 | 雑文
「機動戦士ガンダム バンディエラ」(全6
巻)加納梨衣(小学館)

「機動戦士ガンダム バンディエラ」を電子
書籍版で読み終える。

機動戦士ガンダムにおける一年戦争中の、と
あるサッカー選手の所属する一部隊のお話、
であったらしい。

らしいというのは、自分は特にガンダム一年
戦争に詳しいわけではなく、それなりなのは
WとSEEDくらいだから。

では、なぜこれだけを読んだかといえば、ま
だ連載初期のころ、絵柄とスポーツ選手が主
人公であることに惹かれたから。

本作は打ち切りなのか、元々48話想定だっ
たのかは謎であるが、想定だとしても全体の
構成はお世辞にも良いとは言えない。

そうではあるのだけれど、不思議と不満が大
きいということでもない。

というのは多分に好みの問題なのだけれども、
こうした切り取りというかスピンオフという
のが嫌いではないからだろう。

本筋というか、メインでないことを前提とし
てしまっているから、どうしても甘くもなっ
てしまうが。

さて、流行るか流行らないかは別として、こ
うしてパイロットに軍人以外の属性を与える
のは、メンタル志向の強い現代に向いている。

勧善懲悪で世界を救いまくっていたハリウッ
ドですら、最近は結構、悩んだりもする。

ましては日本は相当に迷って悩んで大変だか
ら、結論のあるようなないような終わりでも、
なんとなく締まる。

そうしたものを、あまり長々とやっても困る
し、題材的にもこれくらいでよかったのだろ
うか、という読了感も漂っている。

いつの時代も、表に前面には出てこないが、
時代を彩るのに不可欠なキャストたちの物語
はどれも面白い。

そして、それを描くのは、本筋でないからこ
そ難しく、報われにくいものである。

とはいうものの、じゃあ本作がおススメであ
るかとなれば、素材と調理人からすると、惜
しいなあという感想。

あとはマーレは死ぬだろうけど、長めに生き
ているといいなと思っていて、死んだ時はや
や早いなあと思った。

思ったのだけれども、終わってみれば最終回
間際の死だったというオチ。

(T)o(u)rnament Star ...

2022-04-21 | 
たったひとりだけ残るために

勝ち抜こうとすればするほど

ひとりまたひとり増えていく

ひかりを増したきらきら星と

ただひとり残るトーナメント

たったひとつだけ残るものを

守り通そうとすればするほど

ひとつまたひとつ増えている

ひみつの増したきらきら星が

ただひとつ残るオーナメント

読書のよもやま(2022.04.18)

2022-04-18 | 雑文
「囚人服のメロスたち 関東大震災と二十四
時間の解放」坂本敏夫(集英社文庫)

1923年の関東大震災によって甚大な被害
を受けた横浜において、法律で認められた囚
人の24時間開放を行った横浜刑務所。

発災からの十日間ほどを、所長である椎名通
蔵を中心に、取材を基に小説形式で描いたノ
ンフィクション。

ここ数か月の読書の中では、ダントツに面白
かった本書。

文章はよい意味で平坦で、小説特有の過剰な
修飾もなく、とても読みやすい。

小説の形態を取っているため、細かなところ
は想像や美化もあるだろうし、ちょっときれ
いな面のみすぎる気もある。

しかし、ノンフィクションであろう本筋の起
承転結は相当にリアルに感じることができ、
先が気になること間違いがない。

社会が社会の体をなくし、まさしく無秩序な
状況において、囚人たちは看守たちと共によ
り「人間」として秩序を保った。

無論、囚人ではなくとも秩序を保った人たち
は大勢いたであろうし、それまで善良であっ
たが、秩序を失った人たちもいただろう。

囚人「だから」、囚人「なのに」という言葉
には、両面でのハンデが含まる。

冤罪を除き、囚人は社会におけるルールを守
ることができなかった結果、囚人となってい
る。

無秩序な状況において、完全な個としてそれ
ぞれが存在すれば、誰もが本書のような結末
ということはなかったかもしれない。

とはいえ、この結末が事実であるならば、非
常時において可能なことは、平常時でも可能
なはずではある。

社会におけるルールの外となった人たちを、
どのように社会のルールの内に戻すことがで
きるか。

内と外があいまいになった状況だからこその
結末なのか、それは線引きが明確な状況でも
可能な結末なのか。

色々と考えも巡るし、単純に読み物としても
おススメ。

「いらっしゃいませ」

2022-04-14 | 
さみしい空き地だった場所から

きこえる「いらっしゃいませ」

のぞけば汚れのないレンガ歩き

たずねる「お一つどうですか」

ほがらか笑い顔すぐに生まれて

こたえる「お一つもらいます」

やりとり淀みのないトーク弾み

つながる「どうもありがとう」