インディアンのティーチングストーリー 古井戸に落ちたロバ | |
北山耕平,oba | |
じゃこめてい出版 |
今回紹介するのは、子供向けかと思いきや、大人向けとも言える不思議な絵本です。
ウチの子に読んでも、反応が少なかったような気がするので、あまり小さい子向きではないかもしれません(それでも気に入った人はきっと読み聞かせしたくなる本です)。
それなりの理解力がついた小学校高学年から中高校生くらいの年頃の子が読むとどう感じるのだろう?と思います。
図書館の絵本コーナーで借りる本を選んでいた時、目立たない下の方にあったのですが、「インディアンのティーチングストーリー」という見出しが気になって中身も確認せずにボヤーっと借りてみた…というのがこの本との出会いでした。
借りたその日、私が子供にその他の借りた本を読んであげていると、普段は子供に読む前にあまり読んだりしない妻が、この本の何かが気になったようで別室へ持っていったのです。
この本はすぐに読める本なので…しばらくすると、「この本すごい!この物語の意味を全部理解できたわけではないんだけど、何か…すごくいい本!」と驚きの表情で戻ってきたのです。
私は「へ~そうなんだ…」と正直あまり期待していませんでした……が、読んでみてびっくりしました!
こんなに短いのに、何だかものすごく考えさせられ、その余韻が心に続いてゆくような物語なのです。
また男には描けない感じのやさしく、シンプルなタッチの絵と色使いがとても魅力的で、それだけでも手に取ってしまう人がいるでしょう。
そして、この本を読んだ次の日、朝刊の一面の下の方に小さくカラーでこの本の広告が出ていた…というシンクロが起きたことにも驚きました。
そんなの単なる偶然でたいしたことではなく、だから何?っていう話ですけどね。
ついでに、この本を企画した?北山耕平さんの著書「自然のレッスン」という本が家にあったのです(私は未読)…ということで、我が家とは何か縁があるようです。
まあ?こういう話は、スピリチュアルなどと言いつつあやしいだけの商売と地続きなので難しい所なのですが……生きていると、このような不思議な導きとつながりに胸を暖められることがあるのも確かだと思います。
でも?20代前半のスタッフに読ませてみると…全員「何だか?さっぱりわかりません…」というような反応で、驚きも感動もほぼゼロという感じでした…何でだろう?
行間を読むというような類の想像力の問題か?それとも?ある種の浮き沈みや自発的なもがきみたいなものを体験していないと響かないとかあるんでしょうか?
……というわけで、響かない人には全く響かないようなのですが、複雑過ぎる現代で何らかの落ち込みの中にいる人や何とかしようともがき苦しんでいる人よ!
心の奥に何かが引っかかったならば、あまり期待しないでこのシンプルな物語を読んでみて下さい。