10月19日(金)。
この日は現在、二科会でご活躍されている
松田朝旭(まつだ・あさあき)先生の
アトリエにお邪魔してきました。
まず、先生のお宅の玄関に入ってびっくりしたのは、
沢山の木彫の作品群が林立していることでした!
あれ?!松田先生って彫刻もやるのかな???と
思ってしまった次第です…。スミマセン…。
後でうかがったところ、玄関の木彫群は先生の奥様の作品との
ことで、制作歴約20年余り、県展にもここのところ毎回
入選されているとか。
ご夫婦共に、創作活動を楽しまれているそうです。
こちらが松田朝旭先生とそのアトリエです。
とっても優しそうな方でした。
こちらは、現在制作中の作品で石造のアーチ橋です。
松田先生は、「土蔵」という作品で二科展に初入選されて以来、
土や石で造られた建造物を中心に創作活動をされてこられました。
たくさんの絵の具が盛られたパレットです。
実は、松田先生愛用のこのパレット「大理石」でできているもので、
先生の恩師「服部正一郎」先生より頂いたものなのだそうです。
アトリエには他に幾つか服部正一郎先生より頂いた大理石のパレットが
ありましたが、服部先生が御愛用したパレットは壊れることをご心配
なされてか、使わずにしまってありました。
先生のお宅には沢山のスケッチ・ブックがありました。
上の写真はホンの一部なのですが、それらは棚に整然と置かれ、
描かれた年代順に番号が付けられキチンと整理されていました。
1点あたり約1時間ほどで描かれるという先生のスケッチですが、
その数は数百冊はあるのでは…と思われました。
本当に呼吸するかのように、けれども日々の鍛錬として日課として
欠かさず描いているとのことでした。
松田先生は現在、取手市にお住まいですが、美術教師をなされていたことから
県内の赴任地を色々と歩かれたそうです。
また、スケッチの風景を探して西代の横利根閘門や阿波の安穏寺、
小野の逢善寺など昔なじみの風景のスケッチも描かれています。
それらのスケッチを見せて頂きながら、その絵に関するいくつかの
エピソードを聞かせて頂きました。
松田先生のお話の中でも、先生が描かれた風景や建物が、今現在は
消えて無くなってしまったなぁ…ということが聞かれました。
先生のアトリエの蛍光灯の形がちょっと変わっていたので、
うかがってみると…
このねじれたような形の蛍光灯はアメリカ製のモノで、昼の太陽の
光線にかなり近い色の光を発するものなのだそうでした。
教員時代を含めて、夜間に創作することが多かったことから、
昼夜の作品の印象が変わるのを抑えるために、この蛍光灯を
使うようになった、とのことでした。
さすがに、細かいところまで注意がいきわたっていますね!
毎年10本使いきるという6Bの鉛筆も、捨てずにちゃんと
残してあります。それも数百本単位です。
道具を大切にする、ということは何事においても大切な
基本中の基本なのですね。
帰りには松田先生と奥様にお見送りして頂きました。
我が稲敷市とゆかりの深い松田朝旭先生の作品を、
当館でお披露目出来る日もそう遠くないかと思います。
みなさん、楽しみにお待ちくださいね。