リツゲイ稽古場日誌

劇団立命芸術劇場の稽古場日誌です。日々演劇と向き合う団員たちの思いが垣間見える、かも...?

人間の証明

2009-06-26 00:06:14 | 夏公演「Evil Narratage」
 本日、この作品のクライマックス(いやどちらかというとカタストロフィか)、夏祭りの夜のシーンを練習しました。最重要シーンなのでこれまで何度も練習してきましたが、衣装・音響も本番同様にしての練習は初めてです。やっぱり衣装と音響が入ると違います。夏祭りの夜、遠い夢の中の想い出といった感じがグンと出てきました。
 最後の新幹線が走り去っていく音も切なくていい感じです。バブル期の恋愛映画「シンデレラエクスプレス」を彷彿とさせます。ただしあちらは100系「ひかり」、こちらはE2「はやて」ですが。
 もっとも、本来は何もなくても演技だけで雰囲気を作れるのが理想で、音響と衣装で雰囲気が出た、というのは演出の指導の拙さの証明で、あまり喜んでいけないのです。ですがまあ、衣装や音響の雰囲気に乗っかって役を作っていく、ということもありますから、ここは素直に良しとしましょう。かくいう私自身も、本番の舞台と観客の醸す高揚感がないと完全に役になりきれない所があります。そのために、演出には計り知れないほどの迷惑と不安を蒙らせてきたでしょうが。
 それにしても、1回生の役者陣はよくやってくれていると思います。わずか3週間の練習期間と、異常に対人関係能力のない演出という悪条件下で、着実に芝居を作っていっています。特に玲彩ちゃんの脚本読解力は素晴らしいです。
 そしてこだちとポルも、私のコミュニケーション力の欠落を補って練習を支えてくれています。元はwhiteberyyの「夏祭り」を聴いていて浮かんだ、ボワーッとした閃きに過ぎなかったものが、舞台作品に組み上がりつつあります。
 閃きという種子を、周囲の協力という水を得て作品に育てていく。これが私にとっての「人間の証明」なんじゃないかって気がしています。
コメント (1)
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