リツゲイ稽古場日誌

劇団立命芸術劇場の稽古場日誌です。日々演劇と向き合う団員たちの思いが垣間見える、かも...?

母校は遠い夢

2009-06-29 00:26:34 | 夏公演「Evil Narratage」
 公演前日ですが、全校応援のシーンで使う校章入りのメガホンを作り終えました。そんなもの適当にデザインしてもいいんですが、『おお勝利』をそっくりそのまま舞台上で使うことになったので、こちらも忠実に再現してみました。団員の何人かがいつの間にか『おお勝利』を覚えてしまったようです。在学中はうろ覚えだった応援歌が、今頃になって頻繁に耳にすることになるとは妙な気分です。公演本番には、『おお勝利』とコマクサの校章が京都・衣笠学生会館小ホールに翻ることでしょう。
 まあしかし、この作品自体に母校でのことを原案としている部分がありますから、それでいいんでしょう。ヒロインのモデルはプライバシーに関わるので伏せますが、I田O先生、K藤I夫先生、T村M絵先生と愛娘のMちゃん、S藤E司先生、もし公演を御覧になられたら思い当たることがあるでしょう。「茹で魚」とか。また身勝手にも勝手に悪役にしてしまった方もいらっしゃいます。この場を借りてお詫び致します。高校在学中、誰とだったかは記憶が定かでありませんが、「H高の教師はキャラ濃い人だらけだから、そのままドラマにできる」と話していたことがあります。その時は他愛もない話に過ぎませんでしたが、4年後に私がそれを実際にすることになるとは、巡り合わせとは不思議なものだと感じています。
 私は別に運命だのなんだのは一切信じない、「宗教=迷信=阿片」と言い切る無神論者ですが、そうした割り切れないことをつい思ってしまうのは、感情を持つ蛋白質の塊の性なのでしょうか。あるいは、こうした思いこそ素朴な原始宗教の芽生えなのか。
 それにしても私がこうも母校を懐かしむようになるとは、自分でも信じがたいです。卒業見込みが立ち、就職も決まり、人生の岐路に立っているから、フッと過去を振り返りたくなるのかも知れません。そこでの過去とは「遠い夢」、脚色され都合良く美化された妄想に過ぎないのでしょうが。
 ですがまあ、そんな精神状態になっているほうが、“Evil Narratege”の上演には好都合かもしれません。「ナラタージュ」(島本理生の『ナラタージュ』でなく映画用語での意味で)ですから。
コメント (2)
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