好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

撮影技術の嚆矢を見る。

2022-05-10 | 物語全般
映画『市民ケーン』のDVDを見る。

恥ずかしながら初見である。
映画について語るなら見なきゃダメという世評に、思い切って借りてみた。

富豪のケーン氏が最後に遺した謎の言葉「バラのつぼみ」の真意を探ろうと、関係者たちにインタビューを重ねていくのが基本の展開。

字幕の字体からして古く、いっそ読みにくい。
「労働」「権利」「離婚」……確かに昔はこれらに略字使ってたね。

この作品を評価するには、1941年という制作年を踏まえる必要があるのだろう。
当時としては画期的な撮影方法など、調べると勉強になる。

・新聞記事の見出しを連ねる事で、話題が世界を席巻しているのを表す。
・同じシチュエーションを繰り返して、長い月日が経っていくのを表す。
などの演出も、当時としては珍しかったのではないか。
もっと言うなら、主人公が亡くなってから、関係者たちによる証言という形で回想していく……という「時系列シャッフル」の元祖でもあるだろう。

今となっては、どれもありふれた手法。
それでも名作と評されるのは、今も通じる普遍的なストーリーだからだろう。
子供時代、より良い生活のためと諭されながら、両親に事実上売られたためか、ケーンは金や物でしか人とつながる事が出来なかった。
命令して従わせる事は出来ても、本当の意味で思いやりを持てなかった。
「バラのつぼみ」って結局、愛って意味でいいんですかね?

それでは。また次回。

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