『悲しき旅立ち!!』
10週を超える、原作最長エピソード。
『ミック・エンジェル編』『シュガーボーイ編』からの連作にして、『ブラッディ・マリィー編』や『ソニア・フィールド編』も内包し、元をただせば『ユニオン・テオーペ初登場編』からの布石が伏線として回収される大事件。
獠と香のみならず、海坊主と美樹、冴子も活躍、更にあの教授の正体も描かれ、つまり、かずえも登場。
ミックは無論、マリィーも重要人物として機能する。
何より、彼らと対立するキャラクター・海原神が、強烈なインパクトを与えてくる。
名場面も名言も多い。
シリアスからギャグ、と思えばまたシリアスという、緩急の激しさも髄一。
未読の方はとにかく読んでくれとだけ言いたいのが私の本心だ。
ただし、私見ながら、今回の話には欠点がある。
ラスト2ページだ。
振り返れば、獠と香は、これを機に完全に結ばれるべきだった。
が、こうまで心を通わせてもなお、大宇宙の意思は彼らの恋愛を拒んだ。
つまり、彼らはただ加齢だけしていく事が、ここで決定づけられてしまった。
それ即ち、少年漫画として続く事が、ついに限界を迎えた瞬間だった。
それでは。また次回。