好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

事件8『美術館オーナー殺人事件』(第4巻)考察。

2009-11-29 | 『名探偵コナン』原作考察
描写において、「漫画」という媒体を最大限に使いこなしているのが、
今回の事件だ。


まず、警備員たちが巡回する、夜の美術館。
その美術館内でさまよう、謎の甲冑。

次に、その甲冑をモチーフとしている絵画。
コミックスの紙面1/2を占める大ゴマは、迫力がある。

そして最後。
その絵画と全く同じ構図での惨殺死体がトドメを差す。

そこに更に、殺人が起こった時の記録映像が畳みかける。
長剣で壁に串刺し……などというのは、
後の作風では、もう絶対に不可能な殺し方だ。
醜すぎ、いっそ美しいとさえ錯覚させる、
このような描写力は、小説などでは真似できない。


その一方、殺人トリックそのものは、やはりシンプルな物。
個人的には、簡単なノック式のボールペンなら、
床に落ちた衝撃でペン先が引っこんでても、
不自然って事ないんじゃないかなかなー……なんて。

ともあれ今回も、コナンの機転のおかげで、真犯人は潔く退場していく。
そのおかげで、小五郎もマスコミに取り上げられる身分になれた。
コナンの当初の目的――小五郎を有名にする事は、
ここでひとまず達成されたのだ。

それでは。また次回。

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