好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

EP41 真柴母子編(JC第24巻)考察。

2022-11-24 | 『シティーハンター』原作考察
『天使の落としもの!?』

『シティーハンター』の大ファンの私としては、今回のエピソードは誠に楽しく、やに下がってしまう。
が、このエピソードを『CH』を知らない新規読者に読んでもらいたいかと問われたら、答えはNOだ。

獠と香が今回のゲストキャラを、銃に縛られた人生から解放するという、「憑き物落とし」の基本構造は確かに保たれている。
ただ、そのゲストキャラ達は、日頃から見ればかなり異色。
獠と疑似恋愛する“美女”では断じてなく、由加里と“しおり”という母子。
そして、二人のうち、やや比重の高い“しおり”は、いわゆる赤ん坊の年代だ。

少年漫画にいる「子供」キャラは通常、明確に意思表示できる自意識を持っている。
しゃべれない歳の子は、扱われないのが本来だ。

今回の前半、「成人男女による幼児保育」という展開は、少年誌で想定される読者が感情移入できるとは、残念ながら言いがたい。
獠が積極的に育児するなどの描写は、良くも悪くも、時代を先取りし過ぎていた。

更にいえば、例えば獠本人から初めて具体的な過去が語られるという出来事(とギャグ)など、読者がシリーズを読みこんでいる事を前提としている部分も見られる。
こうして内容が、内側のファン向けに移行する事は、長期連載の宿命とも言えるが、作品全体は少しずつ疲弊していく。
このエピソードは、『CH』連載終焉の兆しとも言えるかもしれない。

それでは。また次回。

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