『記憶破断者』(by小林泰三)、読了。
2015年作。
いわゆる前向性健忘症というモチーフは、半ばジャンル化してきた気がする。
主人公の田村二吉は、ごく普通の勤め人だったのが、ある事件に巻き込まれて
被害に遭った事を境に、記憶を長く保てなくなっている。
気を抜くと、記憶が数十分と続かず、眠ったら完全に忘れる。
故に、傍らにノートを置き、常に読み続け&書き続けを心がけて生活している。
そんな二吉は、殺人鬼に命を狙われている。
よりによって、人の記憶を操る能力者とバトルするのだ。それも知略で。
二吉はイマドキのデジタル機器を知らない。スマホもUSBも記憶にない。
それを努力と工夫で克服する。21世紀だからこそ成り立つ反撃方法を模索していく。
毎日毎日、訓練を繰り返し、頭脳でなく身体に記憶を染み込ませる。
そのひたむきな様はある種、他人事に思えなかった。
私自身、記憶力に偏りがあり、メモを取らないと覚えられない場合も
少なくないので。
ただ、終盤の展開は、個人的には残念だった。
こういうオチじゃないと、小林作品たり得ないとも思うけど。
ところで、徳さんって結局何者?
それでは。また次回。
2015年作。
いわゆる前向性健忘症というモチーフは、半ばジャンル化してきた気がする。
主人公の田村二吉は、ごく普通の勤め人だったのが、ある事件に巻き込まれて
被害に遭った事を境に、記憶を長く保てなくなっている。
気を抜くと、記憶が数十分と続かず、眠ったら完全に忘れる。
故に、傍らにノートを置き、常に読み続け&書き続けを心がけて生活している。
そんな二吉は、殺人鬼に命を狙われている。
よりによって、人の記憶を操る能力者とバトルするのだ。それも知略で。
二吉はイマドキのデジタル機器を知らない。スマホもUSBも記憶にない。
それを努力と工夫で克服する。21世紀だからこそ成り立つ反撃方法を模索していく。
毎日毎日、訓練を繰り返し、頭脳でなく身体に記憶を染み込ませる。
そのひたむきな様はある種、他人事に思えなかった。
私自身、記憶力に偏りがあり、メモを取らないと覚えられない場合も
少なくないので。
ただ、終盤の展開は、個人的には残念だった。
こういうオチじゃないと、小林作品たり得ないとも思うけど。
ところで、徳さんって結局何者?
それでは。また次回。