好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

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2018-04-12 | 物語全般
『時間線をのぼろう』(byロバート・シルヴァーバーグ)、読了。

「タイトルだけで選んでみた」シリーズ。
明らかに時間移動ものだろうと読んでみた。

1969年作。
偶然にも『ふりだしに戻る』と同時代の作品だが、作風は大幅に異なっている。

作中の2059年の世界では、一般人の時間移動が解禁されている。
資格を持つ添乗員の指示の下、決められた日程で旅をする。
大勢の人間があちこちの時間に行きたい放題のため、
いわゆるパラドックスも起こりまくり。というより日常茶飯事。
時間警察が目を光らせているが、もう収拾がついてないように感じる。
同じ時間に同一人物が居ても、接触しなけりゃいいそうだし。
添乗員(作中では「クーリエ」と呼ばれる)は、
別の時間で別人として生活してもOKという無法ぶり。

そもそも人々の倫理観からして壊れ気味。
例えば、性行為のタブーが殆ど無い。
ただ一つ、異なる時間の人を妊娠させる事だけはアウトだそうだが、
それさえ守れば後はいいのだ。

それで主人公のジャドも、自らの先祖にあたる女性と、禁断の恋愛に走る。
が、代償はあまりに大きかった。
自分の客が違反行為した事がきっかけで、ジャドはあっという間に危機に陥る。
ラストシーンは呆気なく、何とも虚しい。
時間移動は、出来る出来ない以前に、
「するべきでない」というのが、やっぱり我が持論です。

それでは。また次回。

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