『バイバイ、エンジェル』(by笠井潔)、読了。
ミステリ好きなら一度は読むべきという触れ込みを、前に目にした記憶がある。
あと、「矢吹駈」という名前だけ、何かの折りに聞いていた。
読み終わって振り返れば、何とも計りがたい内容だった。
物語の大筋は、激しく好み。
現場で発見されるのは、凄惨な「首のない死体」。
その首が持ち去られた理由を見破れる人は少ないだろう。
中でも、似たような作品を読み慣れてるミステリ好きこそ苦戦する。
常套のお約束のような答えを一つ思いつくはずだが、真相はその先を超えないと至れない。
ただ、この作品、メイントリック以外の部分は、かなり読みづらい。
まさか舞台がフランスだとは驚いた。
彼らの複雑な名前の複雑な家庭事情を覚えるまで本当に苦労した。
矢吹の人となりも自分には今一つつかめなくて。
台詞での、抽象的な比喩表現の連続に何度もページを行きつ戻りつ。
私がスラスラ読めたのは、謎解きの20ページ分だけかもしれない。
2作目はもっと面白いというレビューを見たが、いつ読むかな……。
それでは。また次回。