好事家の世迷言。

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事件140『神社鳥居のビックリ暗号』(第48巻)考察。

2012-07-15 | 『名探偵コナン』原作考察
この事件の主役はコナンでなく、暗号である。
なかなか解けない暗号に振り回されるコナンは、言わば狂言回しのポジションだ。
(因みに少年探偵団キャンプ5回目)

厄介なのは、その暗号がちっとも難しくない事だ。
何と言っても、元ネタがある。
藤原宰太郎氏によるこの本を初出にして、後の学習雑誌にも一度ならず登場している有名な物。
『月と星と太陽の秘密』の「モザリサワソデル」のような初歩的な問いである。

つまり、本来のコナンなら容易に解けるはず。
透けるような薄い紙に書かれている時点で察するはずだ。

だがしかし。にも関わらず。何故かコナンは全く解けない。
故に、この後のコナンの言動は支離滅裂な物になっていく。

「事件が絡んでないと燃えない」という危険な発言しかり。
人が亡くなっていると聞いたのに不謹慎に喜ぶ事しかり。

どんな暗号でも目を輝かせていた彼はドコへ行ったのか。
どんな殺人事件にも怒りを表していた彼はドコへ行ったのか。

あと、余談ながら。
どんな事情があっても、他人の携帯電話のデータを削除するのは犯罪です。

ともあれ、ミステリ作品で起きる事件は、登場人物を動かすための手段のはず。
だが今回は、事件のために登場人物が使われるという逆転現象が発生している。
物語の都合に人々が操られ始める、その兆しだったのかもしれない。

それでは。また次回。
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