『アイネクライネナハトムジーク』(by伊坂幸太郎)、読了。
全6話の連作短編集。
斉藤和義氏の作品とのコラボをきっかけに作られたそうで。
どのエピソードも基本的に、人々の「出会い」について描かれる。
世の触れ込みでは「恋愛小説」とも言われているが、むしろそういったイベント抜きでの関係の方が、読んでいて印象に残った。
「5年ごとに必ず会える間柄」とは何か?とか。
そんな個々のエピソード達を単独で切り出しても、それぞれ充分に面白い。
その上で、全て読み終えてから俯瞰すると、実は、時系列シャッフルされた一続きの物語だった事や、さりげなく置かれていた伏線が美しく収斂している事を知った。
個々でも良作、揃えば傑作という、連作短編集の理想を見た。
全登場人物があれやこれやと絡まりまくって、とても一読しただけでは把握できない。
ネットで相関図を見て、初めて気がついた人間関係も少なくなかった。
以下、余談。
後日、知人との付き合いで、地元の図書館で映画版を見た。
自分の中で、ある程度、時系列と登場人物を整理する役に立った。
終盤、オリジナル展開で、いかにもな恋愛映画になってるのは正直なところ残念だった。
それでは。また次回。