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「親が低年収だと、子は学力だけでなく運動能力も低くなる」最新研究でわかった残酷な現実

2022-01-28 13:30:30 | 日記
下記の記事はプレジデントオンライン様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

親の収入や学歴は、子どもの運動能力と相関していることがわかってきた。筑波大学体育系教授の清水紀宏さんは「親の収入や学歴が低いほど、子どもの運動能力も低くなる傾向がある。こうしたスポーツ格差は深刻な問題になりつつある」という――。
※本稿は、清水紀宏編、春日晃章、中野貴博、鈴木宏哉『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』(大修館書店)の一部を再編集したものです。
学力が低い子どもは体力がない傾向にある
ここからは、児童生徒及び保護者へのアンケート調査と体力・運動能力の測定データを関連づけて分析した結果を中心に紹介する中で、①スポーツ格差の存在(格差はあるのか)、②スポーツ格差の原因、③スポーツ格差が子どもたちに及ぼす影響などについて明らかにしていきたいと思います。
お茶の水女子大学(2014)が文部科学省による平成25(2013)年度の全国学力・学習状況調査(ナショナルビッグデータ)と補完的に実施した保護者用調査のデータを結合させて、家庭背景による学力格差の状況を明らかにして以降、学力格差の存在はもはや揺るぎのない現実と認識されています。しかし、体力・運動能力のデータについては、未だ非公開のため体力や運動能力が子どもたちの家庭背景とどのように関係しているのかについては、未知のままです。
しかし、特に近年になって体力と学力・認知機能との関係性に着目した研究が国内でも少しずつ進められています
(東浦・紙上、2017)。
例えば、春日らの研究グループは、スポーツ庁の全国体力・運動能力、運動習慣等調査と文部科学省の全国学力・学習状況調査のデータを用いて体力と学力の関連性を分析し、小・中学生ともにすべての学力項目(国語の基礎・応用問題、算数・数学の基礎・応用問題及び学力合計)と体力合計点との間に有意な関連(0.1%水準)が認められることを2019年開催の日本体育学会第70回大会において発表しました。
このように国内外の研究成果ともに、体力と学力が有意に関係していることを明らかにした研究が多くなっています(ただし、完全に見解が一致しているわけではありません)。
そこで、本調査の対象者にも同様の関連が見られるのかを分析した結果が図表1、図表2になります。
出所=『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』)p.77 表2-3-1

全ての画像を見る(13枚)
出所=『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』)p.77 図2-3-1

今回の調査では既述の通り、学力テストの実測値を取得しませんでしたので、児童生徒自身によるによる学力の自己評定を「上の方」から「下の方」までの5件法で回答してもらった結果を使用しました。
学力の段階別に体力得点を比較(一要因分散分析)したところ、小学校高学年では、握力とボール投げを除くすべてのテスト種目で、中学生では握力を除くすべての種目で有意な関連が認められました(特に、反復横跳びとシャトルランは学力と関連が強い)。
体力が向上すれば学力も向上するという研究もある
また、小学校高学年よりも中学生において、学力の高低による体力差は拡大していました(特に学力低位の生徒の体力が低い)。このことから、学力の低い子どもは体力・運動能力も低い傾向があること、また、この傾向は学年が進むにつれて顕著になる傾向にあることが明らかとなりした。
先行研究では、学力と体力の因果関係(どちらが原因でどちらが結果か)についても検証が進んでいます。日本の子どもを対象にした縦断的研究では、運動部に所属して体力が高まると学業成績が向上し、運動部を途中退部すると学業成績が下がったことから、運動することが体力を高めるだけでなく、体力の変化が学力の変化を引き起こす要因であると考えられています(石原、2020)。
今回の分析結果と先行研究の成果を踏まえると、教育関係者が関心を寄せる学力問題(学力低下や学力格差)の改善に向けた一方策として、体力低下傾向に歯止めをかけ、体力・運動能力の二極化傾向を改善することが有効だといえるのではないかと考えます。
つまり、体力問題への対応が、同時に学力問題の解決につながっていくということです。


子どもにとってスポーツはどれほど重要なのか
本稿では、スポーツ格差すなわち家庭の社会経済的条件(所得・学歴・職業)による運動・スポーツ機会への参加及び体力・運動能力等の不平等な差異に焦点を当て、これを問題視するスタンスをとっています。
しかしながら、現代の子どもたちにとって「スポーツをすること」や、「スポーツができること」が、彼・彼女らの日々の生活の中でとるに足らない些細なことなのであれば、いかに格差が明らかになったとしてもさほど大きな社会問題とはなり得ないでしょう。そこでここでは、親と子どもの双方の立場から調査した結果をもとに、現代の子どもにとってスポーツがどれほど重要なのか、について検討してみましょう。
まず、親に対しては、次のような調査を行いました(*1)。子どもたちが生活の中でよく利用・使用する26項目の「モノ」や「コトガラ」を挙げ、これら各々について、「小学6年生の子どもが普通に生活するために次のことがらはどのくらい必要だと思いますか」と質問し、「絶対に必要」から「全く必要でない」までの5件法で回答を得ました。
全データ(幼児の保護者から中学生の保護者まで)を用いた集計の結果は図表3に示す通りです(ちなみに親の生活必需品意識について、子どもの学年による差はほとんど見られませんでした)。
出所=『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』)p.80 表2-3-2

全26項目の中で、最も必需品意識が高かったのは、「1.毎日の朝ご飯を食べること(5点満点中4.88)」であり、最も低かったのは、「スマートフォンやタブレット(2.08)」でした。
親は子どもが運動できる状況になることを重要視している
次に、各項目に対する必要度の高さに着目してみると、子どもの生活財は、以下のように五つの層に分類できるのではないかと考えます。(図表4)。
①「最低限の生活必需財」:毎日の朝ごはんや手作りの夕食、学校行事への参加のように50%以上の親が「絶対に必要」と回答した生活財
②「生活必需財」:病院に行くこと、子ども用の本など、50%以上が「絶対に必要」「かなり必要」のいずれかに回答した生活財
③「生活必要財」:誕生日プレゼント、お年玉、大学までの教育など、70%以上が「必要」と回答した生活財
④「中間財」:生活必要財と贅沢財の中間的な位置づけのもの
⑤「贅沢財」:携帯用ゲーム機やおもちゃなど50%以上が「必要ない」と回答したもの
出所=『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』)p.80 図2-3-2

ところで、調査26項目の中にスポーツにかかわる項目が7項目含まれていました。それらの項目が五つの層の中のどこに位置づいているかを確認してみると、「12.友だちとスポーツをすること」「18.運動遊びができる公園」「20.好きな運動やスポーツ活動をすること」は、「3.病院へ行くこと」等と並んで②生活必需財に属しており、また、「13.スポーツや運動をならうこと」や「23.親子での運動遊び」は、「5.誕生日プレゼント」などを含む③生活必要財に属していることがわかりました。
これらの結果から、現在の親にとって子どもが運動・スポーツ活動をできる状況にすることはかなり必要度の高いことであるととらえられているようです。


スポーツ格差はスクールカーストに影響する
次に、子ども側(小学校高学年及び中学生)に対しては、「あなたのクラスで“人気者(みんなから尊敬されたり好かれる人)”になるには、次のことがどのくらい重要ですか」と質問し、提示した10項目についてその重要さの程度を「とても重要」から「まったく重要ではない」までの4件法で回答してもらいました(図表5は小学校高学年の結果)。
その結果、「運動やスポーツができること、うまいこと」は、小学校高学年男子では「クラスをまとめられること」と並んで1位、女子でも「クラスをまとめられること」に次いで2位、中学校男子では3位、中学校女子でも4位であり、子どもたちにとってスポーツはクラスの中での相対的な位置(スクールカースト)を決める重要なファクターであると思われます。
出所=『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』)p.81

以上のことから、現代の子どもたちにとってスポーツは、親のサイドからも子どもたち自身にとっても生活上かなり重要なポジションを占めているものと推察されます。
よって、スポーツが何らかの理由でできないとすればそれは一種の社会的な剥奪状態にあると見ることができるでしょうし、彼・彼女らの選択の余地のない家庭の社会経済的条件等によるスポーツ格差は当事者たちにとってもやはり重大な問題だといえるのではないでしょうか。
中学年以下の小学生は、親の年収と体力が比例している
続いて、家庭の社会経済的条件による体力の格差(結果の不平等)を検証します。
まずは家庭の経済的条件に焦点を当てます。図表6と図表7は世帯収入別、図表8と図表9は学校外スポーツへの投資額別に体力総合点を比較したものです〔世帯収入及び学校外スポーツ費(月別支出額)については、回答の分布状況に基づいてカテゴライズしました〕。
出所=『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』)p.93 表2-3-10

出所=『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』)p.93 図2-3-6

まず世帯収入については、高学年を除く学年段階において、体力総合点に有意な差が認められました。特に低学年と中学年の段階において、世帯収入の違いによる体力の差、すなわち低収入家庭の児童よりも高収入家庭の児童の方が体力総合得点は高いという傾向が顕著です(なぜ高学年で有意差が確認されなかったのかについては、さらなる検証が必要です)。
また、学年進行に伴う一貫した傾向は見られませんでしたが、年収400万円未満の家庭の子どもが、高所得家庭のグループに比べて明らかに体力が低いということは共通しています。


幼児期からのスポーツ投資が子どもの体力を左右する
次に、学校外スポーツへの支出額別に体力総合点を比較した結果を見てください。図表8、図表9に示すように、幼児期から中学生までの各学年段階において、いずれも有意な差が認められました。
出所=『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』)p.94 表2-3-11

出所=『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』)p.95

特に、学校外のスポーツ活動に「ほとんど支出なし」の児童とその他の児童生徒との間に大きな体力差があること、また、「月に1万円以上」をスポーツに支出している子どもとの体力格差は、学年進行に伴って大きくなっていくことが明らかとなりました。
このことから、幼少期から家庭におけるスポーツ投資の成果が年齢とともに蓄積され、中学校期には大きな格差となって現れるのではないかと考えられます。
図表10は、家庭によるスポーツ投資の違いがどのような体力要素と関連があるのかを検討するため、体力テストの項目別に学校外スポーツへの投資額との関連を分析した結果を示したものです。
出所=『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』)p.95

この結果から、①「シャトルラン」「50m走」のように投資額の違いが顕著に認められる(格差が生じやすい)ものと格差が生じにくい体力要素があること、②しかし、多くのテスト項目において、スポーツ投資額の違いによる体力格差は学年が上がるにつれて拡大し、中学校段階では、ほとんどのテスト項目で極めて大きな体力差となってしまっていることが明らかとなりました(紙面の関係上、男子のみの結果を記載しましたが、女子にもほぼ同様の傾向が見られました)。
特に、学校外スポーツへの投資による体力格差が大きくなるのは、男女ともに小学校中学年であるようです。そこで、3年生と4年生に分けてさらに分析してみたところ、4年生が体力格差の拡大期であることが明らかとなりました。
中学生以降の子どもの体力は親の学歴に比例する
次に、家庭の社会経済的条件の中で親の学歴(文化資本)及び職業と子どもの体力・運動能力との関連について検討します。図表11は、中学生のデータを用いて父母の学歴別(大卒以上、短大・高専・専門学校卒、高卒の三分類)に体力の総合点を比較したものです。
出所=『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』)p.97

幼児及び小学生については、両親の学歴による体力の有意な差は認められませんでしたが、中学生では父・母ともに学歴の高い親の方が低い親の子どもよりも体力が総合的に高い傾向が見られました。他方、両親の職業については、今回の調査データからは顕著な体力差は確認されませんでした。


保護者に友達が多いほど子どもの体力は向上する
続いて、親の社会関係資本と子どもの体力の関連について検討します。社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)は、近年、健康格差にかかわる研究分野で特に注目をされている概念です。

清水紀宏編、春日晃章、中野貴博、鈴木宏哉『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』(大修館書店)
そこでは、地域の人々との交流・つきあいや組織・団体への参加を通じて形成された、人々への信頼やパーソナルネットワーク、そして地域における互酬性の規範などが蓄積されている個人や社会の方が健康によい行動をとる傾向があることがわかってきています。要するに、人々の間の社会関係が良好であること、また、他者とのネットワークが広く親密であることなどが健康によい影響を与えるということです。
そこで、保護者用調査の質問項目に含まれていた「子育てや子どもの教育について相談できる知人・友人」の数(「たくさんいる」「ある程度いる」「いない」の3件法で回答)を親の社会関係資本を測る変数ととらえ、これと子どもの体力との関連を分析してみました。
図表12によれば、小学校低学年の段階から、豊かな社会関係資本をもつ親の児童の方が社会関係資本をもたない親の児童に比べて、体力総合点は有意に高くなっていました。また、その格差は、小学校高学年・中学生へと上がるにつれて拡がる傾向が見られます。
出所=『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』)p.98

以上のことから、子どもの体力・運動能力は、家庭の経済資本だけでなく、学歴のような文化資本や社会関係資本の影響も受けていることがわかります。

  • 清水 紀宏(しみず・のりひろ)
  • 筑波大学体育系教授
  • 1961年静岡県生まれ。専門分野はスポーツ経営学。一般社団法人日本体育・スポーツ・健康学会副会長、日本スポーツ体育健康科学学術連合運営委員長、日本体育・スポーツ経営学会副会長。

血圧、本当の危険値は? 上が160以上でもOKな年齢も

2022-01-28 12:00:00 | 日記
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高血圧を始め、様々な生活習慣病の治療が始まる端緒となるのが、日本人の多くが受診する健康診断の「基準値」である。「健康」か「病気」かを見極める境界線だ。ところが、健康診断や人間ドックで“健康の判定基準”とされている数値の元になっている各学会の診療ガイドラインには、「年齢と性別」という重要なファクターが抜け落ちている。
長年、健康基準に関する研究を行なっている東海大学医学部名誉教授で『「血圧147」で薬は飲むな』著者の大櫛陽一氏が指摘する。
「米マサチューセッツ州フラミンガムの住民を追跡調査した研究では、5歳刻みで心筋梗塞など心疾患に対するリスクが異なることが明らかになりました。健診の基準は男女別、年齢別でなければ役に立たないのです。そもそも20歳の男性と、80歳の男性を同じ基準で判断できるわけがない」(以下、「」はすべて大櫛氏)
大櫛氏は2004年、日本総合健診医学会で、全国45か所の健診実施機関から約70万人分のデータを集めて解析した「男女別・年齢別健康基準値」を発表した。その数値が健診の基準値とはかけ離れていたため、各専門医学会からは猛反発が巻き起こった。
しかし、大櫛氏はその後も調査を進め、神奈川など3県の約40万人の住民の健診結果とすべての疾患による死亡の関係を追跡調査し、基準内であれば死亡率が上がらないことを確認した。
大櫛氏が調査したデータの中から、「血圧」について見てみよう。
74歳は血圧168まで基準内
写真2枚
これまで高血圧の治療を受ける患者が目標とする血圧は、75歳未満なら140/90(最高血圧/最低血圧)mmHg未満とされていたが、4月に日本高血圧学会が定める高血圧治療ガイドラインの改訂を控え、130/80未満に変更される。
しかし、「大櫛基準」では、血圧は65歳男性なら上が165、下が100までが基準範囲(正常値)で、130まで下げる必要はないことになる。なぜこれほど数値の開きがあるのか。
「そもそも高齢者は、ある程度血圧が高くなければいけないのです。年を重ねるにつれ、皮膚がかさかさになって硬くなるのと同様に、血管も硬くなっていきます」
これは動脈硬化ではなく、糖化という細胞の老化によって起きる現象だという。
「硬いゴムホースで水を送り出すには水に勢いがないといけないように、硬い血管を通して血液を送り出すには、血の勢い(血圧)も強くなければいけない。血圧が年齢によってある程度高くなっていくのは『正常』と言えるのです。だからこそ血圧の健康基準範囲も、年齢ごとに見る必要がある」
大櫛氏は年齢ごとの血圧の「大櫛基準」を下回ると起こるリスクについてこう話す。
「体内では脳が最も多く血液を必要としていますが、問題なのは脳が血液を送り出すポンプである心臓よりも上にあること。日中行動しているときなどは、重力の抵抗を受けているので、上向きに血液を送り出すには、高齢になるほど強い圧力が必要になる。圧力が弱まって脳に血が巡らないと、めまいや貧血、最悪の場合は脳梗塞の原因にもなる」
大櫛氏が特に警鐘を鳴らすのは、今回のガイドラインの改訂で目標値(降圧目標)が変更されることで、降圧剤を処方される人が増えることだという。
「私の推計では、降圧剤の服用を勧められる治療対象者はこれまで約1660万人だったのが、約4000万人に増えます。複数の研究や調査により、降圧剤で20以上血圧を下げると脳梗塞の発症率や死亡率が高まることがわかっている。急激な血圧低下により血流が悪くなり、血栓で脳の血管が詰まってしまうのです。
私が福島県郡山市の約4万人の男女(平均年齢約62歳)を平均6年間追跡調査したところ、血圧が180/110以上の人で降圧剤を使って血圧を最大20以上下げた人は、使わなかった人より、死亡率が5倍も高いという結果が出ました」

眞子さんに続き佳子さまも“皇室脱出”濃厚…高まる「伝統重視」愛子さまへの期待

2022-01-28 08:30:00 | 日記
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(C)JMPA
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岸田文雄首相は1月12日、安定的な皇位継承策を検討していた政府有識者会議の報告書を、衆参両院の議長に提出した。
 
だが、報告書ではもともと議論されるはずだった皇位継承策については先送りになっており、代わりに皇族数確保策を提言したにすぎない。皇室担当記者はこう語る。
 
「有識者会議の提言は、女性皇族の人生を大きく左右する可能性があります。女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持するよう、制度の改正が提言されているからです」
 
秋篠宮家の長女・眞子さんは、小室圭さんとの結婚に伴って皇籍を離脱。眞子さんは中学生のころから皇族としての生活に息苦しさを感じ、“皇室脱出”を模索されていたという。佳子さまも姉の眞子さんと同じく、皇室を早く離れたいという思いが強いとみられている。
 
「皇族数確保策さえも、旧宮家の男系男子を皇族の養子にする案などは実現性に乏しく、国会で議論がすんなりまとまることはないでしょう。報告書のとおりに制度が変われば、女性皇族は結婚しても皇室にとどまることが原則となり、皇族として一生を過ごすことになります。佳子さまはそうなる前に結婚し、皇籍を離脱しようとお考えになっていることでしょう」(前出・皇室担当記者)
 
“皇籍離脱”へ邁進されることになるとみられる佳子さま。一方で、愛子さまには重責がのしかかっていくことになる。
 
「愛子さまはこの2~3年で結婚されることは考えていらっしゃらないでしょう。つまり、一生皇族として生きると覚悟されることになるということです。佳子さまが皇籍を離脱されれば、内親王は愛子さまおひとり。5歳年下の“将来の天皇”である悠仁さまを、天皇家の娘である愛子さまが支えていくことになります」(前出・皇室担当記者)
 
皇嗣の秋篠宮さま、そして悠仁さまという二人の皇位継承者がいらっしゃる秋篠宮家。だが、眞子さんの結婚をめぐる問題を発端に、秋篠宮家の方針を不安視する声も聞こえ始めた。
 
「秋篠宮家は、お子さまの自主性を尊重する教育方針で、前例を破ることも少なくはありません。眞子さんは学習院大学ではなくICU(国際基督教大学)に進学され、佳子さまもそれに続きました。悠仁さまは幼稚園からお茶の水女子大学の附属校に通われています。また、秋篠宮さまご自身も侍従・女官という職員の呼び方を廃止し、男女を区別しない『宮務官』という名称に統一されました」(前出・皇室担当記者)
 
時代に合わせて皇室のあり方、皇族方の生き方が変わっていくのは自然なこと。ただ、“小室さん問題”をきっかけに国民の不安が増大しているのは間違いない。眞子さんは結婚に関する儀式を行わず、秋篠宮さまも「儀式というものが非常に軽いものだという印象を与えた」と発言されたほどだった。
 
「秋篠宮家は時代に合わせて新たな取り組みをされてきたともいえますが、一方で伝統を軽視しているという見方もあります。そういったなかで愛子さまに期待が集まっているのは、天皇家の一人娘の愛子さまが、皇室の伝統や、昭和、平成、令和と引き継がれてきた皇室のあり方を重んじる姿勢を見せられているからでしょう」(宮内庁関係者)
■同窓会で純白の振袖姿を披露された愛子さま
 
眞子さんと佳子さまがICUを選んだ一方で、愛子さまは幼稚園から大学まで学習院、しかも天皇陛下と同じ文学部を選ばれた。また、小学生のころから蚕を飼育されたり、皇室の歴史に関心を持たれたりと、愛子さまは早くから皇族としての自覚を抱かれていたようだ。
 
1月10日、都内のホテルで学習院女子高等科の卒業生による「二十歳の会」が開催された。愛子さまは会場にお出ましになることはなかったが、リモート参加で旧友と再開。画面越しに純白の振袖姿を披露されたという。
 
20歳の節目に披露された着物姿には、日本の伝統を受け継ぎ、皇室を守っていくという愛子さまの決意が込められているのかもしれない。
 
皇室ジャーナリストの渡邉みどりさんは「愛子さまが幼いころにお召しになった御地赤は、美智子さまが鳳凰の柄にお決めになったそうです」と語る。
 
「明治時代に、皇后の正装は勲章を身につけることができる洋装に定められました。しかし、和装の美しさは日本の伝統文化として、皇室に受け継がれてきたのです。美智子さまは、’12年にエリザベス女王の即位60年を記念する晩餐会に出席された際には、尾形光琳の『燕子花図』をモチーフにした帯をお締めでした。
 
このような、いわゆる“皇室外交”の場では、やはり和装のほうが華があります。忘れてはならない日本文化として、愛子さまには今後もお召しになっていただきたいです」
 
今回の「二十歳の会」では、3年後の自分に向けて手紙を書くという時間も設けられていたという。
 
3年後、もしかすると佳子さまは結婚し皇室を離れられているかもしれない。あるいは、国会での議論が終わり、皇室典範が改正されている可能性もある。
 
国民の期待を一身に背負う愛子さまは“3年後の自分”にどのようなエールを送られたのか――。


発酵食品をとるほど腸内フローラが多様化する

2022-01-28 08:30:00 | 日記
下記の記事日経グッディ様のホームページからお借り紹介します。(コピー)です。

普段の食事で発酵食品をたくさんとると、腸内フローラ(*1)の多様性が増し、全身性の炎症が抑制される可能性があることが米国の研究で明らかになりました。
10週間の介入試験で、発酵食品を食べるほど腸内フローラの多様性が増すという結果が。(写真=123RF)
食物繊維や発酵食品は腸内フローラに好ましい影響を与えるのか?
先進国では、工業化が進むにつれて慢性疾患の患者が増加し、並行して腸内フローラも変化してきたことが分かっています。また、米国に移民した人たちを追跡した研究では、移民後に腸内フローラが速やかに欧化し、肥満が増えて、炎症レベルを示す検査値も悪化した、と報告されています。
腸内フローラは全身性の炎症状態に影響すること、そして慢性疾患の多くに慢性炎症が関係することから、食事によって腸内フローラのバランスを変化させられるなら、食習慣を見直すことにより、全身性の炎症を弱め、慢性疾患のリスクを低減できるのではないかと考えられるようになりました。
近年、腸内フローラに好ましい影響を与える可能性があるとして注目されているのが、食物繊維と発酵食品です。食物繊維の摂取量が多い人ほど死亡率が低いとする報告があるほか、食物繊維の摂取を増やすと、腸内フローラに変化が生じ、健康関連の検査値も改善することが示唆されています。
ヨーグルトやキムチなどの発酵食品が健康利益をもたらすことを示すデータも蓄積されています。発酵食品の摂取は、体重の維持に役立ち、糖尿病、がん、心血管疾患リスクの低下と関係することが、大規模な観察研究などで示唆されていました。
そこで今回、米スタンフォード大学などの研究者たちは、米国の成人を対象に、食物繊維が豊富な食事、または発酵食品を豊富に摂取する食事を10週間続けることにより、腸内フローラと免疫系にどのような影響が現れるのかを調べることにしました。
*1 ヒトの腸の中に棲みつく多種多様な細菌の集まりのこと。腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)とも言う。
健康な成人39人を食物繊維群または発酵食品群に割り付け
健康な成人39人を、「植物性の食物繊維が豊富な食事(食物繊維群)」または「発酵食品が豊富な食事(発酵食品群)」にランダムに割り付けました。食物繊維群には、1日あたりの食物繊維摂取量をそれまでより20g以上増やすように指示し、発酵食品群には、発酵食品の1日あたりの摂取量をそれまでより6皿以上増やすように指示しました。
食物繊維または発酵食品は、いきなり指示された量を摂取するのではなく、目標レベルまで増やすための期間として4週間の増量期間を設けました。その後、指示された量の摂取を継続し、できればさらなる増量を目指す6週間(維持期間)、さらに、本人が望む量だけ摂取する4週間(選択期間)を設けました。隔週で便と血液の採取を行い、腸内フローラの組成や機能の分析と免疫系に関する分析を行いました。
試験に参加した人の中から、試験期間中に抗菌薬の処方を受けた患者などを除外し、36人(各群18人)を分析対象としました。平均年齢は51歳で、女性が73%、白人が81%で、BMI(体格指数)の平均は25(米国では30以上が肥満)でした。割り付け時点では、両群の腸内フローラの多様性に差はありませんでした。
食物繊維群では、1日あたりの食物繊維摂取量の平均は、介入前が21.5gで、維持期間の終わりには45.1gに増えていました。発酵食品群では、介入前の0.4皿から6.3皿に増えていました。食物繊維群では、摂取エネルギーがやや増加し、鉄やマグネシウム、カリウム、ビタミンC、カルシウムの摂取が増え、動物性たんぱく質と塩分の摂取量は減少していました。発酵食品群では、ヨーグルトやキムチのような発酵野菜、発酵チーズ、発酵ドリンクなどの摂取が増えるとともに、動物性たんぱく質の摂取も増えていましたが、塩分摂取量に変化は見られませんでした。なお、食物繊維群に発酵食品の摂取増加は見られず、発酵食品群には食物繊維の摂取増加は見られませんでした。
発酵食品の摂取量が増えるにつれて、腸内フローラの多様性は拡大
まず、炎症反応の指標である「サイトカイン反応スコア(CRS)」を評価しました。CRSは、15種類のサイトカイン(*2)の反応性を評価した結果をスコア化したもので、スコアが高いほど炎症反応は低く、免疫系の反応性は高い、すなわち好ましい状態にあることを意味します。残念ながら、食事介入による両群のCRSの変化に、有意差は見られませんでした。
また、両群ともに、インスリン、中性脂肪、LDLコレステロール、HDLコレステロール、血圧、腹囲には変化は見られず、感じていたストレスレベルや健康状態、疲労感、認知機能などにも差は認められませんでした。
しかし、以下のような評価項目には差が見られました。
*2 サイトカイン:主に免疫系細胞から分泌される低分子のたんぱく質の総称。細胞間の情報伝達の役割を担っている。
食物繊維群では、腸内フローラの多様性は変化してはいませんでしたが、腸内細菌の増加を示唆するデータが得られました。これは繊維の消化に対応するための変化と考えられ、実際にグリカンを分解する糖質関連酵素の分泌が増えていました。免疫系への影響は一貫していませんでした。
これまでの報告にあったような、腸内フローラへの好ましい影響が見られなかったことについて、研究者たちは、「介入期間が短かったのではないか」との考えを示しています。
一方の発酵食品群では、維持期間の終わりにかけて、発酵食品の摂取量が増えるにつれて、腸内フローラの多様性が拡大していました。摂取量の増加と多様性の拡大の関係が最も強力だったのは、ヨーグルトの摂取でした。また、追跡期間中に、血液中のサイトカインやケモカイン、その他の炎症性たんぱく質が減少していました。減少していたサイトカインの1つであるIL-6は、慢性炎症が認められる関節リウマチや2型糖尿病、また慢性ストレスなどを有する患者で高値となることが知られています。
以上の結果は、先進国の住民に広がっている、腸内フローラの多様性の縮小と慢性炎症傾向を改善するために、発酵食品の積極的な摂取が役立つ可能性を示しました。
論文は、Cell誌2021年8月5日号に掲載されています(*3)。
*3 Wastyk HC, et al. Cell. 2021;184(16):4137-53.e14
大西淳子(おおにしじゅんこ)
医学ジャーナリスト
筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。

日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さとは

2022-01-27 15:30:00 | 日記
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iTunesの健康関連ポッドキャストでナンバーワンとなった番組「The Genius Life」のホストを務めるマックス・ルガヴェア氏が、現代生活に疲れた私たちのために、新しい健康指南書『ジーニアス・ライフ』を上梓した。
食生活のみならず、エクササイズや自然との関わりなど生活全般についてまとめられ、万全の体調で生き抜く力を高めることを意図した本書から、脳や心臓、免疫系、そして老化の進行速度に影響を及ぼすとされるビタミンDの力について見ていこう。
慌ただしい都会生活は心の健康によくない
私はニューヨーク市で生まれ育った。都会で過ごす少年時代は楽しかった。だが10代になると、都会の慌ただしい生活が心の健康にあまりよくないことを感じていた。
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自然に触れる機会が少ないために、いつも自分が自然と切り離されているように感じ、長い冬には季節性のうつ症状にも悩まされた。
幸い、私の両親は都会を離れて過ごす時間を大切にしてくれ、まだ私が幼い頃に、ロングアイランドの東端に位置するレムセンバーグという小さな町に一軒家を購入した。週末はたいてい家族揃ってその家へ出かけ、松林のなかで遊んだ。
当時はまだぼんやりと感じていただけだったが、現代の科学は、自然との触れ合いが心身の健康に重要であることを証明しはじめている。
ここでは、日光を浴びてビタミンDを合成することが健康にすぐれた効果をもたらし、私たちのあらゆる器官に影響を及ぼすことを述べよう。
◆ビタミンDは老化の進行速度を遅らせる?
充分な量のビタミンDを合成するのは簡単だと思うだろう。ところが実際、アメリカ人の42%はビタミンD不足だという。それには、日焼け止めの使いすぎや、1日の93%の時間を屋内や車内で過ごすといった理由などもある。
老化の具体的な原因は誰にもわからない。だが最近では、過剰な炎症にあるというのが定説となっている。
もちろん炎症のレベルにはさまざまな要素が関係している。たとえば、社会的なきずなを築いている、健康的な食事や活動的な生活を心がけている、生きがいのある人生を送っている、といったことが指摘されている。だがさらに、ビタミンDもそれと密接に関係している可能性が高い。
米英の研究者が、2160人の女性の双子を対象にビタミンD濃度と炎症との関係を調べたところ、同じ双子であっても、ビタミンD濃度が高いほうが炎症レベルは低かったという。言い換えれば、同じDNAを持つ、同じ年齢の成人であっても、ビタミンD濃度が低いと老化が早く進むということだ。
とはいえ人間の老化の研究は明らかに難しく、これだけではなんとも言えないし、決定打ということもない。ビタミンDという変数が寿命に及ぼす影響を確かめるときには、人間と似ているが、もっと寿命の短い生物を対象に選ぶ必要がある。
その理想的な対象とされているのが線虫だ。体調約1ミリメートルで、寿命は2週間ほど。バック老化調査研究所の専門家は、充分に成長した線虫にビタミンDを投与し、驚くような発見をした。平均寿命がなんと33%も延びたというのだ。
ビタミンDはアルツハイマー病に効果あり?
ビタミンDは血液中に入ると、体細胞の受容体と結合する。この受容体は、すべての遺伝子の5%に当たる約1000の遺伝子発現に影響を与える。がんや心臓疾患の予防から免疫系の正常な機能まで、心身の健康と幸せな生活のほとんどに関係がある遺伝子だ。
誰も、エンジンの5%が不具合の飛行機には乗らないだろう。あなたのエンジンを、そんな欠陥状態のままにしておくべきでもない。
脳にもたくさんのビタミンD受容体がある。ビタミンDは脳内で抗酸化レベルを調節し、酸化ストレスを中和して緩和する。アルツハイマー病やALS(筋萎縮性側索硬化症)に伴う、神経細胞の過剰な活動も抑制する。また、免疫細胞を刺激して、アミロイドβを除去する。これは、アルツハイマー病を引き起こすとされているタンパク質だ。
最近のメタ分析のひとつは、アルツハイマー病の最大の環境リスク要因として、ビタミンD不足をあげている。健康で血中ビタミンD濃度が正常な人の場合、歳を重ねても認知能力が高く、その低下速度も2〜3倍遅いという。
さらに詳しい研究が必要だろうが、プラセボを用いた少人数の実験では、血中ビタミンD濃度の低いアルツハイマー病患者に、1日わずか800IU(IUは国際単位)のサプリを12カ月間処方しただけで、症状の進行を妨げたという研究結果もある。
自己免疫疾患とビタミンDの関係
最近、自己免疫と呼ばれる免疫系の異常が増えている。自己免疫とは、免疫系が変調をきたし、あなた自身の細胞や臓器を攻撃するというからだの反応で、世界中で何百万人もの人たちが、多発性硬化症や炎症性腸疾患、関節リウマチなどの自己免疫疾患に苦しんでいる。
これらの原因は、正確にはわかっていない。しかしこのところ注目されている説は、人生の早い時期に土や泥と親しむことが減って、体内の免疫系と土壌のバクテリアとが充分に相互作用しなくなったからだというものだ。
そしてもうひとつは、私たちが充分に日光を浴びていないという指摘である。自己免疫疾患の患者は、たいていビタミンDの濃度が低いという。
ビタミンDと自己免疫との関係については、さらなる研究が待たれるが、一部の自己免疫疾患に対して、ビタミンDは治療手段となるか、少なくとも進行を抑える役には立ちそうだ。
◆ビタミンDは抑うつを防ぐのか    約4000人の成人を対象にしたある大規模な調査では、ビタミンDが不足すると、その後の4年間で抑うつの発症リスクが75%も増加することがわかったという。
相関関係は必ずしも因果関係を意味するものではないが、薬物治療、慢性疾患、身体活動などほかの関連を調整したあとでも、やはりビタミンD不足と抑うつとのあいだには、深い関係が見られた。
ビタミンDは神経伝達物質の生成と調達を助ける。そのうちのひとつがセロトニンだ。この神経伝達物質が不足すると、抑うつ症状が現れる。
薬に頼るのもひとつの方法だが、抗うつ薬はセロトニンの量を増やしてくれるいっぽう、副作用があって服用の中止が難しく、過剰処方されやすい。
気分が落ち込むようなら、適度に太陽の光を浴びることをおすすめしたい。太陽の光は、体内時計を整えてくれると同時に、あなたの皮膚でビタミンDを合成してくれるからだ。
どのくらいビタミンDをとればいいか
1日にどのくらいのビタミンDをとればいいのか。この問いに答える際には、まず適切な血中濃度の範囲を定義する必要があるが、残念ながら広く確立された最適な濃度というものはない。
2014年に32件の研究をメタ分析したところ、次のような発見があった。がんや心臓疾患など、さまざまな原因による早期死亡のリスクが最も低かったのは、ビタミンDの血清25(OH)D濃度が40〜60‌ng/mlの時だった。50‌ng/mlに達すると、認知能力にも効果があったという。
これをビタミンDの摂取量に換算すると、ほとんどの人にとって1日2000〜5000IUが、先の範囲をクリアすることになる(日本では4000IUまでとされる)。
太陽の光を浴びるのは、ビタミンDを増やす理想的な方法だ。日光はビタミンDを生成する自然な経路に働きかけるだけでなく、一酸化窒素を生成して血圧を下げてくれ、体内時計も調整してくれる。
ただし、適切なビタミンD濃度を保つために必要な日光を浴びる時間は、季節や年齢、地域、大気の状態、肌を露出しているかしていないか、また肌の色などによって異なる。またDNAを損傷してしまわないよう、日焼けには十分気をつけて。
サプリで摂取する時には、ビタミンD3を選ぶこと。日光を浴びて皮膚で合成するものと化学的に同じだからだ。もちろん、サプリをとったからといって、偏った食生活や不健康なライフスタイルを解決してくれるわけではないが。
なお、生物学では常に「過ぎたるは、なお及ばざるがごとし」だ。日光の浴びすぎには気をつけよう。また、サプリなどでのビタミンDのとりすぎは高カルシウム血症を招いてしまう。
先にも述べたように、広く確立された最適な濃度というものはない。サプリで摂取するのであれば、定期的に簡単な血液検査を受けて、あなた自身のビタミンDの血中濃度を医師にチェックしてもらおう。
(構成 笹幸恵)
マックス・ルガヴェア : 映画製作者、健康・科学専門ジャーナリスト